第7章:神界大戦
第225話「もう一度会いたい」
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より強い。
大雑把故に導王流にはあしらわれやすかったが、単純な強さなら今まで鍛えてきた事を加味してもなお、現在の緋雪を上回る程なのだ。
「(それを再び使うには……やっぱり、血が必要)」
リスクもあるが、それ以上のリターンがある。
故に、緋雪はその力を使う事を決める。
もう、遠慮や自重をしている余裕はないのだから。
「(……ごめんね、お兄ちゃん。私、人間をやめる事になるかも)」
かつてのように、暴走するかもしれない。
それでも、力を求める。
大切なモノを取り返すために。
「……とは言っても、どうやって血を……」
生物兵器としての力を開放するには、血が必要だ。
しかし、今の緋雪に血を調達する伝手はない。
誰かから貰う手もあるが、飽くまでそれは最終手段だ。
「……あ、そういえば」
少し考え込んで、緋雪は一つ心当たりがあることを思い出した。
「(やっぱり、騒がしいな)」
思い立ったが吉日とばかりに、緋雪は行動を開始していた。
家を出て、未だに大門の後処理で俄かに騒がしい街を駆ける。
「えっと……あそこだね」
一度電柱の上に立ち、目的地の位置を確認する。
そして、そこから一気に跳躍し、目的地……月村邸の前に着地した。
「久しぶりに見たけど、やっぱり豪邸だよね」
一度死んで以来、緋雪は月村邸に来ていない。
大門が開いていた時や、修行中に上空から視界に入った事はあったが、実際に来るのは本当に久しぶりだ。
「さて、忍さんがいればいいけど……いなかったら、すずかちゃんに言おうかな」
インターホンを鳴らし、緋雪は返事を待つ。
すると、然程間もなく返事が聞こえてくる。
『緋雪ちゃん……?どうしたのかしら?』
応答したのは忍だった。
月村邸には監視カメラもあるため、それで緋雪が来た事に気づいていたのだろう。
緋雪が幽世から戻ってきた事も、すずかから聞いているため、驚いていない。
だが、自宅へどんな用件で来たかはわからず、緋雪に尋ねた。
「実は、頼みがあって来ました」
『頼み……ね』
いつになく真剣な声色。
それを聞いて玄関先で済ましてはいい事ではないと判断する。
『ノエルを寄越すから、まずは入って頂戴』
「わかりました」
しばらくして、ノエルがやってくる。
その案内の元、緋雪は忍の所までやってきた。
「いらっしゃい。緋雪ちゃん。また会えて嬉しいわ」
「お久しぶりです。忍さん」
客間の一室にて、忍は緋雪を出迎える。
ノエルが紅茶を出し、まずは軽く挨拶を交えた。
「話は聞いているわ。……それで、どう
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