第7章:神界大戦
第225話「もう一度会いたい」
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“力”は、通じない訳じゃない。そこを鍛えるのは当然として、そんな物理的な“力”を覆す、もしくは蹂躙するのが神の“性質”)」
思い返すのは神界での戦い。
物理的な戦闘力において、緋雪は決して負けていなかった。
拮抗する相手はいても、完全に上回られる事はなかった。
「(問答無用に物理的・概念的にその“性質”による影響及び効果を相手に付与出来る、神界の神固有の能力。概念的なものであれば、回避は不可能に近い)」
例えば、“貫く性質”であれば、文字通り障壁などを貫ける。
だが、物理的に貫くだけなら、回避は可能だ。
しかし、その効果が概念的なものであれば?
予備動作もなく、タイムラグもない。その攻撃を放った時には、対象の座標にて既に“発生”しているのだ。避ける暇などない。
「(感情がない時のお兄ちゃんなら、意図的に無視できたけど)」
避け切れないのなら、無効化するしかない。
故に、神界の初戦で優輝は相手の神の“性質”を無視した。
「(確固たる意志があれば、抵抗も出来る。……違う、それは勘違いだ。もっと、根本的な方法で……)」
そう。“性質”については、祈梨やソレラから聞いたものばかり。
洗脳されていた二人の説明が正しいとは限らない。
「(……“領域”。他に表現できる言葉が思いつかないけど、とにかく重要なのはその“領域”だ。“性質”はそのまま“領域”となっていた……)」
実際に戦った事を思い出しながら、分析していく。
理屈や理論は無視して、漠然と神達の力を紐解いていく。
「(戦闘が“戦闘”として成立するのは、戦闘がそう言った“性質”だから。……もし、両者か片方が違う戦闘方法を“戦闘”として思い込んでいたら、或いは……)」
誰もあの場では試さなかった事だ。
緋雪達にとってはその余裕がなく、神界側にとっては物理的な手段で充分だった。
「(私達は、常に相手の土俵で戦っていた。“性質”で完封されるのはそれが原因だ。……だったら、それを、根本から覆せれば……?)」
考えておきながら、無茶な事だと緋雪も理解している。
何せ、相手は神だ。盤上をひっくり返すような手法が通じるとは思えない。
しかも、その方法が……
「(負けない“意志”があれば、実際に負ける事はなかった。それが神界での戦闘の真理なら……神に対して心や意志、気持ちで上回れば……!)」
要は、精神性において神を上回る。そういう事だった。
それも、ただ負けないつもりで上回るだけでは足りない。
相手の“性質”を受け付けない、そんな精神性が必要だ。
「(……でも、今の私じゃ、絶対に無理だよね)」
心身共に弱っている緋雪ではそれは不可能に近い。
いくら立ち直った
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