第22話 ついに俺もヒーローデビュー!
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やっべぇな……マジでどうすんだこの状況……!
「近くで見るとガチでたまんねーな。特にこっちのショートボブの子。中三くらいか?」
「な、なあ、やめた方がいいんじゃねーか? アイツ、確か生身の人間には手を出すなって……」
「バカヤロウ、あんなひょろいシャバ僧の戯言なんて聞いてられっかよ。こんな上玉が転がってんだぜ?」
下から上までなめ回すように、男は救芽井の容姿を観察する。中学生相手にその目は犯罪だぞオッサン……いや今の時点で十分犯罪だけど。しかし……「アイツ」って誰のことだ? 生身の人間……?
一方、救芽井はそんな視線くらいなんてことないのか、無反応で涼しい顔をしている。肩が一瞬震えていた気がしたが、気のせいだろう。
彼女は何度も「技術の解放を望む者達」とやり合ってきた猛者なんだから、これくらいはたいしたことないんだろうな。
……でも、オッサンが救芽井に目を付けたのは痛い。悪い考えかも知れないが、こいつの興味が矢村の方に行っていれば、救芽井のことだから隙を見つけて対処していたかも知れない。
「あぁん? ガキィ、なんだそのツラは。クリスマスプレゼントに鉛玉が欲しいのか?」
どうやら、俺は無意識のうちにオッサンにガン付けてたらしい。野郎に用はないといわんばかりに、ピストルを向けて来る。
……や、やべー! 俺まだ十五歳なんですけど!? 死ぬにはちょいと早過ぎると思うんですけど!
救芽井さーん! なんとかしていただけません!? あんた二人まとめて面倒見るって言ったじゃ――
「ご、ごめんね? 時計借りちゃってて。あと、お腹痛いって言ってたよね? 早くトイレに行ってくれば?」
――うぃ?
いや、ちょっと待て。なんだそりゃ?
助けを求めに彼女の方を見た途端、意味のわからないことを言われつつ、「腕輪型着鎧装置」を渡されたんだけど。……え? なに? 俺にどうしろと?
「あぁ? なんだてめぇ、トイレか?」
救芽井の突拍子もない発言を鵜呑みにして、オッサンがジロリと睨んで来る。俺は状況が飲み込めずに目を泳がせるしかなかったが――
「早くしないと、漏らしちゃうわよ」
急かすように言う彼女の真剣な顔を見たら、何となくだが――彼女の意図が読めたような気がした。
「いやー……たはは、実はさっきから漏らしそうなんスよ。すいませんけど、トイレ行かしてもらっていいスか?」
「あァ?」
「い、いやホラ! ここで漏らして悪臭を撒き散らすのもオッサ――お兄さん方に迷惑じゃないかなって……!」
少なくとも女の子の前でするような話じゃないが、今はそれどころじゃない。救芽井の振った話題に合わせようと、俺も必死だ。
端から見れば、ぎこちなさが完全に露呈していて怪しさ全開だっ
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