第22話 ついに俺もヒーローデビュー!
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」に敢然と立ち向かうスーパーヒロインと同一人物とは思えない姿だった。
なんだよオイ……どうしたんだ? いつもの調子で怒鳴ったり反撃したりするもんだと思ってたのに。さすがに丸腰でピストルはキツかったってことか?
彼女は普段からは想像も付かない程しおらしくなってしまい、腰に手を回されてもほとんど抵抗できずにいた。震え上がってピクリとも動けない矢村と、大して変わらない状態じゃないか?
「へへ、よく顔見せろよ」
ついには顎を掴まれ、無理矢理に顔を合わせられてしまう。目に涙を浮かべつつ、それでいて反抗的な意思を感じさせる、険しい顔つきになっていた――が、それでもオッサンを威嚇するにはあまりにも弱々しい。
「ガキのくせして、ホンッとマブ顔してんなァ。いや、マジでたまんねー……後で一発ヤろうぜ。どうせさっきのしょっぱいクソガキ相手じゃつまんねーだろ?」
しょっぱいクソガキって俺のことかい! いや、しょっぱいってのはわかるけどよ……つーか救芽井さん、マジで無抵抗じゃないすか!? どうしてあんたともあろう人が……。
「怖がんなくたっていーだろーが。極上の悦びってヤツを教えてやろうってんだぜ? どんな女もベッドに連れ込みゃ同じさ。中身はたいていフツーなんだから」
――フツー? 救芽井が、フツー?
おいおいオッサン、彼女がフツーだなんて笑わせてくれるじゃ――いや、笑えねぇ。
……よくよく考えてみたら、全然笑えねぇな。笑えるとしたら、俺のバカさ加減か?
まさかあのオッサンに教えられるとは、ちょっと意外だったな。んで、そんな自分には段々とムカッ腹が立ってきたわ。
――救芽井樋稟は、普通の女の子。いつからだ? そんなことを忘れていたのは。
商店街でぬいぐるみを見てはしゃいでいた時。矢村と二人で喫茶店のことで盛り上がっていた時。
あの娘は、「普通の女の子」だったじゃないか。少なくとも、俺が期待していたような「スーパーヒロイン」の顔じゃなかった。
俺は、昨日助けてくれた事実や彼女の実力に依存して、その強さに全部を丸投げしてたんじゃないか? いや、そうだろ。事実、今の今まで、俺は「救芽井がなんとかしてくれる」とどこかで期待してる節があった。
そう、勝手に期待して押し付けてたんだ。力があるだけの、普通の女の子に。
彼女だって、普通の女の子なら……色欲の目で迫って来る男が怖くないはずがない。ましてや相手はピストルを持ってるし、頼みの綱と言うべき「腕輪型着鎧装置」は俺の手にある。
彼女が着鎧すれば強盗なんてイチコロかも知れないが、その後に彼女がどうなるかなんてわかったもんじゃない。最悪、警察に知れてこれまでの苦労が水の泡になる可能性もあった。
家族一同で人々のためにと作り出した着鎧甲冑
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