暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第22話 ついに俺もヒーローデビュー!
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た俺達の掛け合いだが、当のオッサンはピストルを持った余裕からかどうせ嘘でもたいしたことないと判断したらしく――

「チッ、んじゃあさっさと行けや。文字通りのクソガキが」

 めんどくさそうに首でトイレを指し、自分は救芽井の隣にドカッと腰を降ろしてしまった。どうやら自分は早いところ救芽井に近づきたかったらしく、男の俺を排除するには都合のいい話だったのかも知れない。

「す、すんませーん……」

 俺は自分の時計……ということになってる「腕輪型着鎧装置」をそそくさと回収し、トイレに向かう。もちろん他の強盗仲間に見張られながらのことだが、特に警戒されてる様子はなかった。ただの中坊にしか見えないんだから当たり前か……。

 そんなオッサンの心遣い(?)と救芽井のアドリブのおかげで、なんとか俺はトイレにまでたどり着くことができた。
 わけなんだが……。

「……で、どうすりゃいいんだよもー……」

 と、頭を抱えるしかなかった。

 俺の勝手な憶測に過ぎないが――救芽井としては、俺に「救済の先駆者」に着鎧して連中を撃退して欲しいところなんだろう。そのためにトイレに行くように仕向けていたとするなら、説明がつく。
 ……が、この場でゆったりと着鎧してトイレから出て来ようものなら、噂のスーパーヒロイン――いやヒーローか――は、俺ということにされちゃうんじゃないか?
 確かに救芽井の素性が露呈される事態は避けられるが、俺が社会的に危うくなるぞ! あの娘、その辺のことちゃんと考えてんのか?
 ……実は向こうもテンパっててそこまで気が回らなかったってオチか? そういえばさっきのアドリブも焦り気味だった気がするし。
 ちょっともー! 頼むからこんな強盗のことなんかでテンパらないでくれよー! 商店街の平和と引き換えに、俺の社会的生命が危機に晒されてんですけど!?
 松霧町のスーパーヒロインなら、こんなことちょちょいのパーだろうに……ん?

「おっ、やっぱいい身体してんじゃん。歳いくつ? 胸は何センチあんだよ?」

 トイレのドアの向こうから、あのオッサンの声が聞こえて来る。公共の場で堂々とセクハラかよ……モノホンの犯罪者は違うなぁ。
 って、そうじゃねー! 今の救芽井達どんなことになってんだ!?
 ドアの上部に小さな窓があったんで、便座に登って様子を見てみることに。

 ――!?

「そんな怖がらないでいーじゃん。お嬢ちゃんくらいの歳なら、もう男とヤった経験くらいあんだろ? 今時のガキは進んでっからなァ」

 どうしたことか、あの凜とした眼差しがカッコよかった救芽井樋稟は――震え上がっていた。

 微かに涙目になりつつ、肩を抱き寄せているオッサンから必死に顔を逸らしている。とてもじゃないが、「技術の解放を望む者達
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ