第三十三話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「納得いかねぇぇぇぇっ!」
向こうでなんだか叫んでいるクラウドは、笑いながら慰めに行っているリディアに任せるとして、俺はアリシャとヘルマンと共に、ギルド《COLORS》に入る為の手続きをしていた。
……まあ、ヘルマンは立って夕日を眺めているだけだが。
「コレで良しっ! それじゃあショウキ、これからもよろしくっ!」
ギルド《COLORS》への入団手続きが完了し、ハイタッチを求めてきたアリシャとハイタッチをしておく。
「ほら、ヘルマンもよろしくってぐらい言いなさいよ!」
「……よろしく頼む」
ヘルマンの相変わらずの対応に、ああもうこの無愛想は、とアリシャは聞こえるように独り言をぼやくが、ヘルマンは気にせずに夕日を見ていた。
「おいショウキッ! 勝ったからって調子にのるんじゃねぇぞ、まぐれなんだからな!」
「……嘘つき」
向こうの騒がしい者と笑っているものは、向こうで放っておくことにしよう。
しかし、ギルド《COLORS》……まさか、ギルドに入ることになるとは思わなかったが、人生何が起きるか分からないもんだな。
「それじゃあショウキ! ギルド《COLORS》入団に際して、リーダーであるわたしからプレゼント!」
アリシャがメニューを操作し、黒い物体を俺に向かって投げつけてきた。
別に投げつけてきたと言っても、たかがしれているので、難なくキャッチして広げてみると……
「わたしお手製の黒色コート! 着てる和服黒色だし、防御力低そうだからちょうど良いわよ!」
流石、戦闘用スキルを何も入れていないだけあって、アリシャは裁縫スキルも上げているらしい。
試しに着てみると……軽い。
しかし、きちんと防御力も上がっているし、俺は本来使うことの出来ない《隠蔽》スキルのボーナスまで付いている……
「凄いな、この黒いコート……貰っただけじゃ悪いな。なんか無いか……」
「別にそんなの良いって!」
アリシャはそう言って首を振るが、何かお礼せねば俺の気が済まない。
……しかし、こんな時に限って俺のストレージには素材とポーションばかりしかない……
いや、ストレージの奥底にあった。
アイテムを出してみると、《カミツレの髪飾り》という、一回限りのクエストで貰った報酬の筈なのに、何の効果も無いという奇妙なアイテムだ。
しかし、デザインはまあまあだし、元気なアリシャには似合うのではないか……
「だったらコレだ、お礼」
「可愛いじゃん! 貰って良いの?」
どうやら、なかなかどうして高評価だったようだことに安堵し、胸をなで下ろした。
「もちろんだ、お礼なんだから」
「やった! ……へっへ〜似合う?」
夕日をバックに、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ