第三十三話
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しの胴体。
「抜刀術《十六夜》!」
遂に鞘から抜き放たれ、《旋風》という名が示すように一陣の風のごとくクラウドの胴体に吸い込まれていく……が。
俺の顔の前に、細剣が置いてあった。
「ッ!?」
急遽抜刀術《十六夜》を中断し、横に倒れながら避ける。抜刀術《十六夜》がソードスキルだったならば、ここで剣を中断出来ずに終わっていたことであろう。
「へっ! あれを避けるか!」
当然ながら、顔の前に置いてあった細剣の持ち主はクラウド。
先程までの真紅の大剣はどこかに消え失せ、代わりにその手には、またも真紅に輝いた細剣が握られていた。
急いで倒れた態勢を立て直し、日本刀《旋風》を相手の剣を防ぐように構える。
「今度は俺のスピードに、付いてこれっかなっ!」
先程までの大剣のパワーに任せた戦い方とは真逆に、細剣を使ったスピード戦をクラウドは展開する。
確かに、日本刀のようなリーチの長い武器は細剣のようなスピード戦が苦手というのが通説であり、(どうやってかは知らないが)細剣に変えた理由も分かる。
だが、スピード戦なら望むところだ。
「セッ!」
縦横無尽に空中を駆け巡る、真紅の細剣を日本刀《旋風》の銀色の剣閃が捉える。
細剣とは元々、スピードの為に軽量化した剣であり、切れ味は日本刀には遠く及ばない。
結果として、クラウドの真紅の細剣は鍔迫り合いを演じることも無く、刀身と鞘が分離することとなった。
「よくも俺の剣をやりやがったなっ!」
だが、またも予想通りに真紅の剣が、細剣を持っていなかった方の手に握られていた。
今度は、大剣と細剣の中間ぐらいの剣……つまり、ノーマルな片手剣であった。
「今度はその剣が斬られたいのか?」
……まずはあの武器の速攻チェンジを破るところから、だな。
その為には、もう一度ぐらいクラウドの武器を使えなくさせる……!
「もうやらせねぇよっ!」
俺の簡単な挑発に引っかかり、相変わらずの前進気味の攻撃を仕掛けてきた。
片手剣に持ち替えて斬りかかってきたものの、その真っ向から来るクラウド独自の太刀筋は変わらない。
勢い良く放たれた突きを横に避けると、間髪入れずに片手剣が横薙にシフトする。
この思い切りの良さとスピードは流石だが、見切れないほどじゃない為に、日本刀《旋風》で受け止める。
「ハアッ!」
日本刀《旋風》を力任せに振るうと、当然質量が小さいクラウドの片手剣の方が弾き飛ばされる。
本来ならばここで吹き飛ばした片手剣を破壊するか、クラウド本人に追撃をするところであるが、もう片手に持つであろう剣に防がれるのがオチであり、悪ければ一撃喰らってしまう危険性まである。
ここは追
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