第三十話
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一撃、斬撃術《弓張月》。
二刀流とは手数が二倍に増えるぶん、一刀の威力が減少することになる。
Pohがその二刀で斬撃術《弓張月》を防ごうとすれば、そのまま防御を貫き通して、Pohを先日の雪山のドラゴンのように一刀両断に出来る。
一刀で防ぎ、もう一刀で攻撃しようとするのがもっとも凡策であり、攻撃はリーチの関係上俺に届かず、防御は易々と突破されるだろう。
つまり、この斬撃術《弓張月》はベストの戦術――!
「斬撃術……《弓張月》ッ!」
《縮地》の勢いで天井まで飛び、くるりと一回転して天井を蹴る。
最大加速で最大威力の斬撃がPohに迫る。
その俺の行動に対してPohがとった行動は……新しく片手に持った包丁を落とすことだった。
ニヤリと笑って友斬包丁を構え、俺を地上で待ち構える。
その行動から、Pohの次の行動を悟ってしまう。
つまりあいつは、最初っから二刀による防御なんて考えてなかった……!
友斬包丁が眩い光が帯びだしたことから、Pohのソードスキルの準備が整ったことが分かる。
……まさか二刀流を使ったのも、Pohがソードスキルを使わないという、俺のミスリードを誘ったものだったのだろうか……
……いや、今はそんなことはどうでも良い。
後はただ、俺とPoh、どちらの攻撃が先に当たるかというだけだ――!
「オオォォォォォッ!」
「Ya-Haaaa-!」
そして、俺の空中からの斬撃術《弓張月》による日本刀《銀ノ月》はPohの肩に深々と突き刺さり――
――Pohの友斬包丁は俺の心臓を貫いていた。
「くっ……そ、が……」
貫通継続ダメージなんぞ無くても友斬包丁の一撃は、俺のHPゲージを0にするのに、充分過ぎるほどの一撃だった――
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