第三十話
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に同時に空中へと飛び上がっていた。
空中にてPohの側面から放たれた抜刀術《十六夜》が、Pohの脇腹を深々と抉る。
「fack……!」
「まだだッ!」
抜刀術《十六夜》の勢いを殺さず、空中で一回転を始める。
そのまま回転し、前回の勢いを足した日本刀《銀ノ月》の横斬りがPohを襲――
「That sucks.」
――わなかった。
いや、正確に言うと襲ったが失敗したのだ。
身動きがとれない筈の空中で、Pohは日本刀《銀ノ月》の上に乗るという、予想もつかない方法で避けたのだから――!
Pohのニヤリと笑う顔と、その両手に持つ双刃が煌めくのが見える。
しかし、未だ空中にいる俺には攻撃を避けることは出来ず、Pohが乗る日本刀《銀ノ月》を手放せば、俺の敗北は決定する。
「Ya-Ha-!」
ずいぶんエキサイトしたPohの声と共に、俺を二本の包丁が襲った。
すでに右肩がやられており、これ以上やらせてたまるものか……!
即座にクナイを投げるものの、Pohは日本刀《銀ノ月》を足場にして更にジャンプした。
これで俺は日本刀《銀ノ月》を自由に扱えるが……遅い。
Pohによる、俺の頭を狙った友斬包丁の一撃はなんとか頭をずらして避けたものの肩に当たり、もう一本の包丁は寸分違わず俺の腹に刺さった。
「ぐあッ……!」
またも鋭い痛みについ悲鳴が出るが、Pohが何か行動に出る前に腹に刺さった包丁をPohに向かって投げた。
しかし友斬包丁でPohに斬られてしまい、そのまま着地して二人同時に距離をとる。
HPゲージを確認すると、もはや当然レッドゾーンに突入している……現実世界ではもう死んでいてもおかしくない怪我なのだから、これは少しアインクラッドのシステムに感謝すべきなのだろうか。
……いや、ゴメンだな。
ポケットにポーションは入っているが、飲んでも即座に全て回復するわけではないし、回復結晶では使っている隙をPohに殺されるだろう。
だが、その条件はあちらも同じの筈。ならば、次の一撃を相手に叩き込んだ方が勝つ。
Pohもそれは分かっているようで、自分で斬ったもう一本の包丁の代わりに、いつの間にか新しい包丁を片手に持っていた。
友斬包丁ともう一本の包丁で待ち構えている。
次の一撃を決めた方が勝つ……単純で分かりやすい勝敗条件だな。
さあ行くか――!
「ナイスな展開じゃないか……!」
「It`s show time」
二回目ずつの自らを鼓舞する最高の言葉。
まず俺は《縮地》によってPohの目の前から消え、空中へと飛び上がった。
この状況で俺が選ぶ技は、いつかのゴーレムやドラゴンを倒した空中からの勢いが乗ったもっとも重い
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