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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
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Empty Dream―夢物語
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《The fatalscythe》―運命の鎌



「ちっ……」


識別スキルでデータが見えない。つまり、俺達より強い。

キリトに目配せして、覚悟を決める。ここは俺とキリトで時間を稼いで切り抜けよう。



「アスナ、今すぐ3人を連れて脱出しろ、こいつは俺達が食い止める」



「え!?」



アスナは突然そんなことを言われ混乱していたが、俺が2本目の大太刀を出すと、事態の深刻さを理解したようだ。



「『八葉蓮華』!!」



バチッと音が鳴り、パーティーが強制解除される。



「オオオォォォォッ!!」



死神のような姿をしたボスが鎌を振り下ろしてくる。



「……悪いが、この世界で死神は1人で十分だ!!」



ガァァン!!


と、鎌と両刀が大音響で衝突し、辺りに衝撃波を撒き散らす。


「ぐあっ!?」


予想外の攻撃力に上手く攻防を入れ換える事ができず、隙を作る事ができない。


「はぁぁぁぁっ!!」


攻撃の硬直を利用した反撃をキリトが見舞う。

しかし、HPすら見えない強敵に効いているのかは不明だ。

両刀の防御力は中々に高い。だが、あのボスの攻撃はそれを易々と押し返した。この中で恐らく最も筋力があるこの俺を――

死神が突進をしてくる。



(速いっ!!)



ドンッッ!!


「ぐっ!?」


今度は完全に弾き飛ばされ、壁に打ち付けられて倒れる。


「レイッ、大丈夫か!?」


「大丈夫……でもないな……」


HPは既にイエロー、直撃なら確死、防御できても2回が限界だろう。

その時、



「ユリエールさん、ユイを頼みます!3人で脱出してください!」

「……ッ!!やめろ、アスナ!!」


キリト、アスナに突進し始めた死神を見据え、2人の剣に重ねてパリィ――

赤い閃光。衝撃。

前方2人は大きく吹き飛ばされ、俺もHPがレッドに変化した。

――しかたない、


「ぐっ……」


制限時間を無視して両刀を分離、『白妖蓮ノ太刀』を格納、新たに小太刀『秋水』を取り出した。

それは、SAOをプレイする上で俺自らが己に課した戒めを破る行動だ。

右手に大太刀を握り、左手に小太刀を握る。それはまるで、《二刀流》――


「なっ……!?」


キリトが驚きの声を上げるが、構わず二刀を構える。


「――『二天一流』、奥義、羅刹」


死神の懐に飛び込み、大太刀の一閃、死神は素早く飛び退き、鎌を上段から振り下ろしてくる。


「はっ!」


それを小太刀でうけ、
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