アイングラッド編
紅き剣閃編
Empty Dream―夢物語
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
《The fatalscythe》―運命の鎌
「ちっ……」
識別スキルでデータが見えない。つまり、俺達より強い。
キリトに目配せして、覚悟を決める。ここは俺とキリトで時間を稼いで切り抜けよう。
「アスナ、今すぐ3人を連れて脱出しろ、こいつは俺達が食い止める」
「え!?」
アスナは突然そんなことを言われ混乱していたが、俺が2本目の大太刀を出すと、事態の深刻さを理解したようだ。
「『八葉蓮華』!!」
バチッと音が鳴り、パーティーが強制解除される。
「オオオォォォォッ!!」
死神のような姿をしたボスが鎌を振り下ろしてくる。
「……悪いが、この世界で死神は1人で十分だ!!」
ガァァン!!
と、鎌と両刀が大音響で衝突し、辺りに衝撃波を撒き散らす。
「ぐあっ!?」
予想外の攻撃力に上手く攻防を入れ換える事ができず、隙を作る事ができない。
「はぁぁぁぁっ!!」
攻撃の硬直を利用した反撃をキリトが見舞う。
しかし、HPすら見えない強敵に効いているのかは不明だ。
両刀の防御力は中々に高い。だが、あのボスの攻撃はそれを易々と押し返した。この中で恐らく最も筋力があるこの俺を――
死神が突進をしてくる。
(速いっ!!)
ドンッッ!!
「ぐっ!?」
今度は完全に弾き飛ばされ、壁に打ち付けられて倒れる。
「レイッ、大丈夫か!?」
「大丈夫……でもないな……」
HPは既にイエロー、直撃なら確死、防御できても2回が限界だろう。
その時、
「ユリエールさん、ユイを頼みます!3人で脱出してください!」
「……ッ!!やめろ、アスナ!!」
キリト、アスナに突進し始めた死神を見据え、2人の剣に重ねてパリィ――
赤い閃光。衝撃。
前方2人は大きく吹き飛ばされ、俺もHPがレッドに変化した。
――しかたない、
「ぐっ……」
制限時間を無視して両刀を分離、『白妖蓮ノ太刀』を格納、新たに小太刀『秋水』を取り出した。
それは、SAOをプレイする上で俺自らが己に課した戒めを破る行動だ。
右手に大太刀を握り、左手に小太刀を握る。それはまるで、《二刀流》――
「なっ……!?」
キリトが驚きの声を上げるが、構わず二刀を構える。
「――『二天一流』、奥義、羅刹」
死神の懐に飛び込み、大太刀の一閃、死神は素早く飛び退き、鎌を上段から振り下ろしてくる。
「はっ!」
それを小太刀でうけ、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ