第10話 聖痕〜スティグマ〜
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
し」
苦笑を隠さずにちぃさんが告げると不機嫌そうにレオ神父が口を開く。
「ム、仕方がないだろう。元々教会と退魔師とは仲がよくないんだ。いくら俺個人としてなら入ることが出来ても審問官として訪ねたら最悪蜂の巣だ。こういうことはお前のようなフリーの人間がやるに限る」
「かく言う私の家族、っていうか姉さんもその『教会嫌い』の1人なんだけどね」
ちぃさんの姉さん…母さんのことか。なんか俺親の話を聞いたことあまりないから気になるなと思ったが、母さんはちぃさんを超えると言う猛者だ。何をやらかしたか分かったもんじゃない事にこのときはまだ気づいていなかった。
「『あの人』の場合正確に言うなら『枢機卿嫌い』だろう。馬鹿共のせいで何度『あの人』との戦いを強いられてきたことか」
「今更ながらに思うけどアナタ、姉さんと戦ってよく生きてたわね」
「運がよかっただけだ。少し間違えば間違いなくあの世行きだった。アレは人の手に負えるようなものじゃなかった。もはや龍とか『星辰の七王』並だぞ…」
なんか、俺の母親がすげー迷惑をかけていることを垣間見た気が…
「『あの人』も十分恐ろしいがそれに加えて『奇才』の血も引く朔也は尚のこと恐ろしいな」
「もうその片鱗を見せてくれてるようだしね」
ちぃさんとレオ神父、二人そろって俺の方を見てくる。
「…なんかスイマセン」
「別にいいさ」
「そうそう」
釈然としないがまあ、いいか。
「さて、さっさと引き上げましょうか!」
「え、もう終わったの?」
「いいや、まだ全て殲滅したわけじゃない」
「ならなんで?」
放っておくのだろうか?
「私は異端狩りの審問官であると同時に1人の神父だ。きちんとこの国の伝統に則って…」
なんかオチが読めてきたぞ…
「火葬にするのさ。島ごとな。事件原因の調査も終了したわけだしわざわざここで戦ってやる必要はもうないからな。まとめてドカンだ」
だと思ったよ畜生!
「さて、さっさと船に引き返そう」
「そうね。ホラ、行くわよ朔也!」
「…幻想卿との戦いで体力気力共に使い果たした人間にソレはないって」
結果、レオ神父の棺桶に重火器他の危険物と共に押し込まれたこととレオ神父によって島一つが丸々火葬にかけられたのは忘れられない思い出として心に焼き付けられた。以降、入学式の写真を見るたびに東堂朔也がこのことを思い出したのは言うまでもない。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ