第50話
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であるにも関わらず、自らの手で敵を葬ったのだから、”剣士”――――――いえ、”戦い”を生業とする人なら誰もが通る道―――――”自らの手で他者の命を奪う事”を経験して乗り越えたのだから、クルトお兄さんも間違いなく”ヴァンダール流の剣士”として大きく成長しているだろうから、ミュラーお兄さんもよかったわね♪」
「ハハ………他者に対する評価が厳しいレン君にアルフィンがそこまで高評価される事に喜んでいいのか、アルフィンが自身の手で人の命を奪った事でアルフィンの手が血に塗れた事に嘆いていいのか、判断に困るね…………」
「クルト………………………………」
「やれやれ…………皇女殿下もそうだがミルディーヌ君も、次に会った時は前とは比べ物にならないくらい成長しているだろうね…………」
「ん。”戦場の洗礼”を受けて、それを乗り越えたんだから、少なくても精神面は確実に成長している。」
小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの説明にオリヴァルト皇子は疲れた表情で肩を落とし、ミュラー少佐は重々しい様子を纏ってクルトを思い浮かべ、疲れた表情で溜息を吐いたアンゼリカの推測にフィーは真剣な表情で同意して答えた。
「――――――レン皇女殿下、無礼を承知でお願いいたします。聡明なレン皇女殿下でしたらお気づきかと思われますが、今のアルバレア公爵家には外敵を守る”力”は当然として”焦土作戦”によって大きな被害を受けたクロイツェンの民達を保護する”力”すらもありません。どうか、エレボニア帝国政府の所業によって大きな被害を受けたクロイツェンの民達の保護をメンフィル帝国が行ってください…………!その代わりにメンフィル帝国が求める要求通り、クロイツェン州全土は貴国に差し上げます!”焦土作戦”を受けて物資や食料、男手を奪われ、住む家まで焼かれたクロイツェンの民達を救う事ができるのは貴国だけなのです!どうか…………どうか、クロイツェンの民達の保護をお願い致します…………!」
「ユーシス…………」
するとその時ユーシスが立ち上がってフラフラとした足取りでレンの前に来ると土下座をして涙を流しながらレンに嘆願し、その様子を見た仲間達がそれぞれ血相を変えている中マキアスは辛そうな表情で状況を見守っていた。
「別にユーシスお兄さんに頼まれなくても、元々クロイツェン州は今回の戦争でメンフィル帝国の領土にするつもりで既に”焦土作戦”の被害を受けたクロイツェン州全土に対する支援や復興は行っているわよ。――――――その際に、それぞれの領主を務めていたクロイツェン州の貴族達も調略したけどね♪」
ユーシスの嘆願に対して呆れた表情で答えたレンは小悪魔な笑みを浮かべた。
「ク、クロイツェン州の貴族達を調略したって事は、領地を持っているクロイツェン州の貴族達はみんな、メンフィル帝国に寝返ったんですか…………!?」
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