最終話 別れと再会
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
開けて。」
みほは必死でドアを叩いていた。
「梨華はいませーん。」
中からは梨華の声ではなく裕香の声が聞こえた。
「西住殿、マスターキーを借りてきました。」
中が慌ただしく音をたてた。
「開けるよ。」
ドアを開けると散らかっている部屋、そしてテーブルの真ん中には転校届けが破かれた状況でおかれていた。
「いました。こっちです。」
優花里さんに呼ばれた方に行ってみると白河勢の九人がいました。
「梨華は転校したんじゃなかったの?」
みほの問いに梨華は答えずに、変わりに裕香が答えた。
「転校するつもりだったんだけどね、梨華のお母さんに止められちゃって、昨日の夜遅くに帰ってきたんだ。しかも梨華なんて転校しなくてすむなんて、声を上げて泣いちゃったんだ。」
「言わなくていいことは言わない。」
「すみません。」
「と言うことはりかりんもまた一緒に戦車道が出来るの?」
梨華は頷いた。
「良かったですね、西住殿。」
「うん。これからもヨロシクね。」
みほが梨華に手をさしのべてきた。
「此方こそヨロシク。」
二人は手を握りあった。
「ところで梨華は私たちにはなんて伝えようとしたの?」
梨華が顔を赤らめて、
「言いたくなかったから手紙でかいたのに、言わなければ駄目か?」
「うん、駄目。」
梨華がため息をついてから、
「私はあなたたちと一緒に戦えて、超嬉しかった。あのみほをここまで成長させたのはアンコウチームのおかげです。出来ることなら転校はしたくないですが、私たちもあなたたちと公式戦で戦ってみたい。それに」
顔を一層赤らめて、
「私はあなたたちの事が大好きです。」
梨華は恥ずかしい気持ちを隠しきれずにいたが、
「今後もこの関係が崩れないことを願います。」
梨華が読み終えて、私たちは気付かないうちに、涙を流していた。
「梨華が私たちのことをそんな風に思っていてくれたなんて、凄く嬉しいです。」
「今日は梨華の家でご飯にしようか。」
「「「賛成。」」」
白河勢の八人がそれにのってきた。
「いいよね?」
私は梨華に確認をした。
「もちろん。」
梨華はすぐにオッケーをしてくれた。
今日の夜は長そうだな。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ