三十 蛇VS狐
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ゴクリと唾を呑み込む。
ナルと対峙する大蛇丸が放ったおびただしい数の蛇。
【万蛇羅の陣】によって吐き出された蛇がナルを呑み込まんと津波のように押し寄せる。
だがそれを、ナルは片腕を振り落としただけでかき消した。
とんでもない衝撃波が森に広がり、木分身だけでなくオリジナルのヤマトがいる方向へまで伝わってくる。
飛ばされぬよう大木の幹にしがみつき、身を顰めてナルの様子を窺う木分身の背筋に悪寒が奔った。
「あれじゃ、まるで──小さな九尾そのものじゃないか…」
大蛇丸と戦闘を繰り広げるナル。
左近/右近・鬼童丸を殺された怒りが引き金で、一気に尾を四本生やした彼女の姿は赤いチャクラで覆われていて、普段の面影は見る影もない。
大蛇丸とナルの激しい戦闘により、倒れ伏す右近/左近・鬼童丸の遺体に木分身は近づけもできなかった。
彼らの死亡確認すらできず、大木の影で身を潜めていた木分身は眉を顰める。
敏捷な動きの大蛇丸と激しく闘うナル。
九尾のチャクラを普通の人間が纏っていたら、数分ともたないはずなのに、激しく動く彼女の姿に、彼は怪訝な視線を注いだ。
(あれだけのチャクラを身に纏って、何故…)
九尾のチャクラで指一本動くことすらできないほど、肌の皮が爛れ、全身に痛みが迸っているはず。
それなのに、どうして動いていられるのか。
木分身の疑問をよそに、ナルが地面を強かに叩いた。
途端、嫌な予感がした大蛇丸が地面を蹴る。
蹴った先から九尾の赤いチャクラでできた腕が大蛇丸を捕らえようと迫ってきた。
追い駆けてくる九尾の腕。
それの猛攻から回避しながら、大蛇丸はズザザザ…と地面を滑る。身構え、振り向き様に腕を伸ばす。
伸ばした腕の服裾から出現した蛇。
【潜影蛇手】により口寄せした蛇がナルの放つ九尾の腕に絡まったが、半ばもいかぬうちに塵と化した。
一瞬、蛇の哀れな末路を見て、大蛇丸の顔に悲しみの表情が過る。
しかしながら悲しむよりも前に、正確に現状把握をした大蛇丸は自身の次の行動を素早く決めた。
己の身体に九尾のチャクラの飛び火が来る前に、自身の身体を捨てる。
即ち、即座に口から新しい肉体を生み出したのだ。
新しい肉体を持った大蛇丸の背後で、先ほど【潜影蛇手】を用いた肉体が九尾チャクラにより、口寄せした蛇と同じく塵と化してゆく。
「今度はさっきより多いわよ…!」
ナルから距離を十分に取り、大蛇丸は再び腕を伸ばす。
【潜影多蛇手】の大量の蛇が九尾の腕を操るナル本人目掛けて勢いよく迫りくる。
だが、ナルの目の前で振りかざされた四本の尾が、迫る蛇達を悉く焼き尽くした。
「蛇の無駄死にを増やすだけか…」
赤いチャクラを迸らせ、もは
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