アイングラッド編
紅き剣閃編
Sound Memory―音の記憶
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「すげえ……すっげえよ姉ちゃん!!初めて見たよあんなの!!」
「このお姉ーさんは無茶苦茶つよいんだぜ。怒らすと怖いけど」
にやにやこっちを笑いながら、レイが子供達のことを撫でている。
キリトも同意するように微笑んでいる。
「……え、えへへ」
自分の方にもやって来た子供達を相手にしていたその時、
「みんなの……みんなの、こころが」
キリトの腕の中のユイが宙に視線を向け、右手を伸ばしていた。慌ててそこを見るが、何もない。
「みんなのこころ……が……」
「ユイ!どうしたんだ、ユイ!!」キリトが叫ぶと、瞬きをして、きょとんとした表情を浮かべた。
アスナもあわてて走り寄り、ユイの手を握る。
「ユイちゃん……何か、思い出したの!?」
「あたし、ここには……いなかった……。ずっと、ひとりで、くらいところにいた……」
何かを思い出そうとするように顔をしかめる。と、突然。
「うあ……あ……あああ!!」
「……!?」
ノイズじみた音が耳に響き、直後、ユイの硬直した体のあちこちが崩壊するように激しく振動した。
「ゆ……ユイちゃん……!」
「くそっ……!!」
見ると、レイが倒れて耳を塞いでいた。どうやらノイズの音に酔ってしまったようだ。
「ママ……こわい……ママ……!!」
か細い悲鳴を上げるユイをキリトの腕から抱き上げ、アスナはぎゅっと胸に抱きしめた。数秒後、怪現象は収まり、硬直したユイの体から力が抜けた。
「なんだよ……今の……」
「…………」
これも何かのバグなのだろうか?
「……ッ!!レイッ!!大丈夫か!?」
はっと顔をあげると、少し離れたところに、レイが倒れていた。
キリトの呼び掛けにはピクリとも反応しない。気絶しているようだった。
「……とにかく、教会まで戻りましょう。レイさんもあそこならゆっくり寝かせられます」
キリトがレイを背負い、一行は一端教会まで戻っていった。
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side レイ
暗い……ここはどこだ?ポーン、ポーンと、時おり電子音がするのは何故だ?アインクラッドには機械は存在しないはず……。
辺りを見回し、そこが完全な暗闇でないことを理解すると同時に、その光源たる電子パネルの意味も理解した。
《モニター室》ここはそういう場所のはずだ。
下を見ると、そこには無表情な顔をしたユイがいた。
膝を抱え、パネルをじっと見つめている。そのパネルに映ってい
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