アイングラッド編
紅き剣閃編
Encounter―遭遇
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かな……?」
「いや、人がいるよ。右の部屋に3人、左に4人……。二階にも何人か」
「7…いや、8人だな」
さらっと《索敵》スキルで壁越しの人数を看破した2人をアスナは微妙な顔で見た。
「ふむ……サーシャさん、レイですけど、ちょっと人を探しているんですが、話を聞いてくれませんか?」
「え、だれ?」
「ここの子供達の保護者」
すると、右手のドアがわずかに開き俺の姿を見ると、ぱあと笑顔になりこっちにやって来た。
「お久しぶりです。レイさん」
「お元気そうで……皆も元気ですか?」
「はい。元気すぎて、困っています。……あの、そちらの方達は?」
俺は横に移動して2人を紹介する。と、その時―――
「レイ兄ちゃん!?まじで!?久しぶりー!!」
どどどどどど――
と、音がしそうな勢いであちらこちらから子供が溢れてくる。
「やれやれ……」
言葉とは裏腹に優しい目をするレイ。キリトとアスナは意外なものを見た気になかった。
わいのわいのする子供達を落ち着かせて、アスナが本題を切り出す。
サーシャはしばらく何かを考えていたが、わからないと言った。当然だが……。
「そうですか……」
アスナが俯き、ユイをぎゅっと抱きしめた。そして、ふと気になった様子で今度は俺に目を向けてくる。
「レイ君はサーシャさんとどうして知り合ったの?」
「いや、ホントに偶然なんだけどな……まだ最前線が5層ぐらいだったときにどうしてもここら辺で素材集めをしなきゃいけなくて、バッサバッサと目的のモンスターを狩ってたらさ、何か小さいプレイヤー何人かのパーティーが壊走してるじゃないですか」
「私の他にもここを守ろうとしてくれる年長の子が何人かいてこの辺のモンスターなら絶対に大丈夫なレベルにはなっているんですが、運悪く集団に囲まれてしまったみたいで……」
「まぁ、サクッと片づけたら妙に懐かれてな。ここでご飯をご馳走になったんだ」
「5層が最前線って……精々レベルのトップは30半ばでしょ?いくら一層とはいえ撤退の難しいほどの大群をサクッと、ね」
「アスナ……思い出せ。一層のボス部屋までのPOPを一晩で枯渇させたアホは誰かを」
「……今さらだけど、レイ君なにもの?」
「……あなたの子供ですよ、母さん」
ネタではぐらかし、本題からズレつつあったその場が笑い声に包まれた。その時、
「先生!サーシャ先生!大変だ」部屋のドアが開き、数人の子供達が雪崩れ込んできた。
「ギン兄ぃ達が、軍のやつらに捕まっちゃたよ!!」
「場所は?」
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