もう一つの二つ名
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「無駄だ、ジョニー。この、牢屋から、出なけりゃ、攻撃どころか、触ることも出来ねえ」
「そうだ。所詮お前らみたいな快楽殺人者はその中がお似合いだ」
そう言って、帰ろうとする。すると、ザザが小さな声で何かを言っているのを聞き取った。
「お前も、根っこは、俺らと同じ、殺人者なんだよ。あのときのお前、どこか楽しそうだった、じゃねえか」
それを聞かなかったフリをしてその場を急ぎ足で立ち去る。そして、牢獄の入り口まで戻ると、橙色に染められた空を見上げる。
「俺はお前らとは違う。俺は……悪いと思ってた奴でもそいつらの起こした罪も背負って生きていく。それがどんなに自分勝手なことだとしても、今俺に出来る唯一のことだから……」
そう呟いて、視界を戻す。戻した視界の先に走りよってくるユキの姿が目に入った。
「ゲツガ君!!」
俺の胸に思いっきり飛び込んできて、消え入りそうな声で言う。
「ぐすん……ゲツガ君……あの時私、一人になると思った……ゲツガ君が私の前から消えて……一人になるかと思ったよ……」
胸に顔をあて、泣いているユキの頭を優しく撫でなでる。
「ごめんな、お前に寂しい思いをさせて……でも、大丈夫だ。俺はユキを一人にしてどこかに行ったりはしないから」
そういいながらユキを慰める。しばらくしてようやく泣き止んだユキは、まだ涙の溜まってる目を拭って子供のように聞いてくる。
「本当に……本当に私を置いてったりしない?」
「ああ、この世界でも、元の世界に帰っても、俺はお前の隣で歩き続ける」
「ありがとう。ゲツガ君」
そう言ってもう一度抱きついてくる。俺もユキを抱きしめた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
お互いに離れた後は、手を繋いで、はじまりの街の大通りを歩く。その時にあまり話さずにいたため、空気を和ませようとするが何を喋っていいかわからない。
「ねぇ……ゲツガ君」
ユキから口を開く。
「何だ?」
「私たち結婚してるんだよね。何で抱いてくれないの?」
「ぶッ!!」
ユキ、いきなりアウトなことを言うのはやめよう。いくら周りにプレイヤーの姿が見えないからってその言葉を言うか。時と場を考えようぜ。
「ユキ、言ってる意味がとてもいけないような言葉に聞こえたのは気のせいだよな?違うよな?」
「だから、何で一緒に暮らして、一緒の布団の中にいるのにゲツガ君は抱いてくれないの?」
「ユキ、ちょっとそれはだめじゃないですか……特に年齢とかの面で」
「私十六歳だもん。だから大丈夫だよ。それに、倫理解除コードって物もあるから多分出来るよ」
ユキ、なんでそんなものを見つけてるんですか……。そう思ってか
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