暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第一部
Birthday(バースデイ)
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最初に脱落するな」


観客は口々に呟く。

クリスはその『規格外』と言われる【異能】が宿らない外装を見て、やっとのことで少年が誰だったのかを思い出すことが出来た。


「まさかあの白髪男……」

「そうだ。奴は吐き出される弱音と諦念に耐え、己の弱さを知り、かつての自分を殺すことによって生まれ変われたのだろう」


地獄から這い上がってきた少年の戦闘によって顕現したのは絶対的な暴力。

背からは魔晄の粒子が翼のように放出され、縦横無尽に結界の内部を駆け抜ける。

黄金に煌めく拳は一撃必倒。

他の九人による攻撃は双方を別ち絶つ【魔晄防壁】を強化したような鉄壁が阻む。

試合開始から20秒。

舞台は血の海と化す。

内臓が破裂して吐血を繰り返す者。

気が()れたように転がる者。

睾丸を潰され壊れた機械のように(うめ)く者。

白髪の少年は無傷だが他は全員が重傷。


「あの技……間違いない。しかしお前がその流派を学んだのは運命かもしれんな」


春斗は不敵に笑う。

その視線は少年を射抜いていた。

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