第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第20弾 現れし妖刀(カミング・ザ・クラウ・ソラス)
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「……クッ! シュウヤ、逃げて!」
その声を最後に、音はプツリと止んだ。
「……どう……なってるんだ」
俺は周囲に銃口を向けながら警戒した。
「……お探しのものはこちらかな?」
不意に、自身の背後の用具高の上から声がした。
「誰だ!」
振り向くと同時に、銃口を向けながら俺は叫んだ。
「『妖刀』だよ。君達が追いかけ回していた。ね」
そこには、仮面を付け黒装束を見にまとった人影があった。
「……チッ!」
俺は舌打ちをすると、銃を下げた。
下げるしかなかった。
なんせ、気を失った凛音が盾にされていたのだから。
「……凛音をどうする気だ」
「彼女は素質がある。我々と同じように。だから、我々のもとでその才能を開花させ、磨き上げる」
それを聞いた俺は、サイレントアンサーであるに関わらず飛びかかろうとした。
しかし、その行動が叶うことはなかった。
辺りに響き渡った2発の銃声。この銃声は、ワルサーP88のもの。
そして、俺の両脛に走る激しい痛み。
これが表す答えは、撃たれたということ。
「グアッ……!」
俺は痛みに悶えながら、バランスを崩してその場にうずくまる。
「やはり、『弁慶の泣き所』とはよく言ったものだ。Sランク武偵もこの通りだからな」
そう告げて来る『妖刀』に対して俺は、見上げることしかできなかった。
「シュウ君!」
「シュウヤさん!」
そんな危機的な状況下で、マキと歳那が駆けつけてきた。
「待て、近づきすぎるな! コイツは、手強いぞ!」
俺は慌てて静止したが、それはすでに遅かった。
「もう少し、周りの様子を見た方がいいかもね」
『妖刀』がそう言った途端、マキと歳那の動きが止まる。
「ど、どうしたんだ?」
「シュウ君……ゴメン……ワイヤーに嵌められちゃった……」
「ワイヤー……?」
俺は、目を凝らして2人の周囲を見る。
そして、この距離でギリギリ視認できるほどの大きさのワイヤーを確認した。
「……いつのまに!」
さっき???
「俺が通った時は無かった筈。って思っただろ?」
『妖刀』は、俺に対してそう告げる。
「そりゃ、さっきは無かった。なんせ、たった今張ったんだからな」
俺はその言葉に、戦慄した。
「……嘘……だろ」
あの一瞬で、あそこまで複雑に糸を張るなんて……ほぼ不可能に等しい……。
それを、アイツはやってのけた。
……いかん、完全に千日手状態だ。ここからの勝算が見えない……。
「あ、言い忘れたけど、そのワイヤーTNK製だからね」
『妖刀』は、俺に追い討ちをかけ
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