第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第20弾 現れし妖刀(カミング・ザ・クラウ・ソラス)
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通信科棟を後にした俺は、走って装備科棟を目指していた。
俺が何故ここを集合地点にしたかといえば……ここが1番怪しかったのである。
あまり知られていないことだが、ここ装備科棟は地下に巨大な保管施設を備えている。
『地下倉庫』に比べれば、規模は小さいがそれでも人が入るには広すぎる空間が、ここ装備科にはあるのだ。
それも、車輌科の船着場付近に繋がる地下通路を要したものが。
俺は他の2人が集合するより前に、中に入り階段付近にある扉をピッキングして開いた。
この地下倉庫、二重扉を採用しているため、このアナログ式な扉の奥にはキーカード認証式の扉が待っている。
つまり、この二重ロックを突破しない限りは、中へ入る方は不可能なのだ。
俺はそんな扉のシステム板の部分を開くと、自身の携帯電話に接続した。
そして、システム内へとハッキングを仕掛ける。
その為に、俺は自身の集中力を極限のところまで引き上げ、サイレントアンサーになる。
さて、ここから先へと通してもらおうか。
扉のセキュリティーコードを弄る為、システムの奥深くまで忍び込んだのだが、最終防衛ラインとも呼べるファイアウォールがとてつもなく硬い。
俺は、思考を全てそこへと注ぎ込み、システムの穴という穴を突いていく。
そして、作業を始めてから15分。
漸くセキュリティーを制圧、扉を開くことができた。
「……たく。ここの扉のコードまで乗っ取るとか……反則だろ」
俺はボヤきながら携帯をしまうと、ホルスターからベレッタを取り出して警戒しながら中へと踏み込んでいく。
倉庫内には、資材から工具、果ては量こそ少ないが火薬まで置いてある。
「下手に発砲したかねぇな……」
俺はベレッタを両手持ちしながら呟いた。
すると、奥の方から何やら会話が聞こえてきた。
「……どうして、私を狙ったの」
「……決まっている。君が才能ある『者』だからだよ」
アレは、凛音の声……!
つまり話しているのは凛音と……『妖刀』。
「参ったな……敵の姿はここから視認できないし……」
俺は、意を決して極限まで足音を殺して走った。
「私にそんな力は……ないよ。第一に、どこへ連れて行って、どうするつもりなの?!」
「そうだね。それは答えよう……と思ったが、どうやら招かれざる客が来てしまったようだ」
……気づかれた?!
「凛音、来い!」
俺は足音を殺すのをやめて、全力で走った。
「ど、どうしてここに……!」
「探偵科Sを舐めんな……!」
俺はそのまま凛音に手を伸ばす。
直後、凛音の体は、凛音の後方にあった闇の中へと吸い込まれていった。
「……な?!」
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