第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第20弾 現れし妖刀(カミング・ザ・クラウ・ソラス)
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普通ならここで終わりだろう。
実際、他の奴らは報告に行ったりしている。
だが、俺には何かが引っ掛かっていた。
俺は頭部付近の血溜まりを入念に調べる。
そこには、何かが転がったような血痕があった。
「……これは」
俺はその幅、様子などから一つの結論を導き出した。
そして、審判の元へと向かう。
「報告をどうぞ」
「はい」
俺は自身の中で作り上げた仮定を述べた。
「被害者の死因は、2箇所の大きな外傷による失血死。その際使われた凶器は内臓まで達する様な、長く鋭利な刃物」
「以上か?」
「いいえ、まだ続きます」
俺はそう言って、続けた。
「この刃物が使用されたのは恐らく一撃目。しかし、被害者はそれでも絶命しなかった為、犯人は拳銃を使用したと考えられます」
「その根拠は」
「血痕の中に、何かが転がったような形跡があり、その幅と距離から.45ACP弾の薬莢部分だと推定しています」
「なるほど」
「しかし、現場付近に薬莢が見受けられなかったことから、犯人は空の薬莢を持ち去ったと考えました。以上」
俺の考察を書き終えた審判は、俺をフィールドから出るように促した。
俺はそれに従ってフィールドの外へと向かう。
そして、暫くしないうちに、結果が発表された。
それによると俺は、このラウンドを同率1位で抜けたらしい。
「……次か」
と思っていると、俺の携帯が振動した。
何事かと思い開いてみると、そこには一通のメールが届いていた。
そのメールの中を覗いた俺は戦慄した。
「……ケース……D7……!」
ケースD7とは、アドシアード期間中に武偵高内で事件が起こったことを示すコード。
この時の数字がいくつかあるが、今回の7は事件性があるかどうかが不明という意味になる。
そして、送られる人間も限られた人間のみになる。
「因みに……詳細は……!」
俺はメールに素早く目を通した。
そして、とんでもない事実を知った。
白雪と凛音、2人が同時に消えたのであった。
つまり俺は、ケースD7を2つ分背負っていることになる。
急いで俺は、高天原先生の元へと向かう。
「……先生」
俺が声をかけると先生は、普段とは打って変わって真剣な表情で振り向いてきた。
「樋熊君も、この件に関わってるのね」
「はい。それも、2件とも」
そう告げると、少し考えるような仕草をしてから、こう言われた。
「樋熊君は、解決に向かって。こっちは、なんとかして置くから」
そう言われた俺は頷くと、早足で探偵科棟の出口へと向かった。
その際、後ろから英語で『逃げる気か!』と聞こえたが、俺は聞こえないふりをし
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