暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第20弾 現れし妖刀(カミング・ザ・クラウ・ソラス)
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、凛音は食い下がる。

「良いって。俺は正しいと思ったことをしただけだから」

 事実、減るもんでも無いからな。うん。

「そ、そう……?」
「ああ。なんだ、そんなに俺が信じられないか?」
「そう言う……わけじゃ無いけど……」

 凛音はそう言って俯いた。
 うん。やっぱ、戦闘時と平常時での差が激しい。
 アレかな、俗に言う戦闘狂かな? あ、それは俺か……。
 などと、内心1人漫才を繰り広げる俺は、凛音とともに自室を出た。

「あ、そう言えば歳那は?」
「……なんか、買い物に行くって言ってた」
「そうか」

 俺はそう言って、台所へ向かう。

「さて、夕飯の準備でもしますかいな」
「あ、私も手伝うよ」
「頼む」

 そして、2人で夕飯の支度へと取り掛かるのであった???





 翌日、アドシアード当日。
 俺は、探偵科棟の特設会場に居た。
 東京武偵高の探偵科代表として。

 俺の周囲には、各国の武偵高の代表達がいる。
 俺は、手元にある参加者一覧へと目を通した。
 ……中々凄いメンバーだな。しかも、名前を聞いたことのある奴ばっかりだ。

 これは、気を抜いたらヤバイな。
 そう思った俺は、視線を上げ辺りを一望する。
 その際、他の参加者とも視線があった。

 さて、そろそろだな。
 俺は資料を仕舞うと、高天原先生の所へと向かう。

「先生、そろそろ定刻ですよね?」

 俺は再度、時間の確認をとる。

「ええ。樋熊君も配置についてね〜」

 普段と変わらない様子で言われた。

「わかりました」

 そう言って、俺は指定されたところへと立つ。
 この競技は、事件現場を再現した所から推理できる事、気付ける事などを得点方式にして競うもの。
 事件現場は、1人につき1つずつ同じ内容のものが用意されている。

 制限時間は1回につき5分。
 因みに、決勝戦まで含めて合計3回あるが、場合によっては次が決勝戦なんて事もある、とのこと。
 俺は、ブルーシートの掛けられた再現へと目を向け直す。

「さて……どんな中身かね……」

 その呟きの後、定刻を知らせるチャイムが鳴った。
 そして、ブルーシートが外される。
 そこにあったのは……

「刺殺現場……?」

 大きな血溜まりが着いた、再現であった。
 俺はその現場を、細かく調べる。
 遺体があった場所……白線で囲まれているところの、腰にあたる部分に大きな血溜まりがある。

 ここから考えられるのは、腹部を刺された事による失血死。
 だが、血溜まりはもう一つある。
 それは、頭部にあたる部分にあった。

「……頭と腹部を刺されたことによる失血死……なのか?」


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