第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第20弾 現れし妖刀(カミング・ザ・クラウ・ソラス)
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などが無い為、どんな策を講じていいのかまとまらないのである。
……折角由宇から情報を貰ったのになぁ。
俺は内心ぼやきながら、机の前から立ち上がった。
すると、突如として扉が開かれた。
「シュウヤ、無事?!」
などと言った具合のこと言って、凛音が部屋へ入ってきた。
「……なんの話だ?」
「え、今メールで……」
「えっと、落ち着け。まず俺は、家の中にいるのにメールしたりはしない」
「で、でも」
そう言って凛音は、携帯のメール画面を提示してくる。
「このメールアドレス……」
そこには、確かに俺のメールアドレスが記されていた。
「……!?」
どういうことなんだ。あり得ないだろ。
「……同調されてる?」
俺は無意識の内に右手で口元を抑えると、そのまま無数に思考を走らせる。
「シュウヤ……?」
凛音の言葉を聞きながら、1つの結論に至った。
「……『妖刀』め、接触してきやがったか」
「……?!」
俺の言葉に、凛音は驚きを隠せないでいた。
「それは『妖刀』の手口だ。今さっき確認した」
俺はそう告げた。
その言葉に、凛音は震えていた。
「怖い……のか?」
俺はそっと凛音に問いかけた。
「ううん。大丈夫……」
そう答える凛音だったが、その震えは増す一方であった。
「……良いんだぜ。怖いなら怖いで」
俺はそのまま続ける。
「今の俺は、お前を守るのが仕事だ。だから、何かあるなら正直に言ってくれ。俺のできる範囲内のことなら、やるから」
そう告げると、凛音はそっと顔を上げて言った。
「……私のこと、抱きしめて」
そして、凛音は目元を伏せた。
俺は無言で、凛音背中へと手を回し抱き寄せた。
「……もっと。もっと強く」
そう言われた俺は、凛音を抱きしめる力を強める。
「もっと……もっと……! 私が……私だってしっかりと伝わるぐらい!」
俺は彼女が痛がらない、且つ最大限の力で抱きしめる。
それに合わせて、彼女も俺を抱きしめてくる。
そして、俺の胸に顔を埋め静かに泣き始めた。
対する俺は、彼女の頭をそっと撫でた。
そのままの状態で数分が経ち、漸く凛音は落ち着いた。
「ごめんね……」
「お前が謝ることはないさ」
「ううん。あるよ……。だって、護衛だけじゃなくて、こんな無理なお願いまでしちゃったんだもん……」
そう言った凛音は、耳まで赤くなっていた。
「別にいいさ。それに、他でも無い凛音の頼みなら尚更」
俺はそう言って、右手で後頭部を掻いた。
「で、でも、そういうのはやっぱり……」
と
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