第一部
始動
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なお、一定以上の高位序列を有した生徒が参加申請した場合は予選を免除。
自動的に本選出場が決定されるのだ。
「ちょっと。アンタなんでこんな予選見てんのよ。つまんなくない? そんな暇が有ったら早いとこアタシと戦いなさいよね」
クリスは頬杖を突いている。
「退屈なら帰れば良いと思うが。それに俺と戦いたくばもっと強くなれ」
春斗の返事はつれなかった。
この二人は予選には出ない。
しかし両者の立場は違う。
クリスは一年生だけしか出場できない夏期龍帝祭に出場している一年生の中で序列一位なので当然ながら予選試合を免除されている。
春斗は紫闇が黒鋼での修業を初めてから自分で三軍に落ちることを志願。
そして三軍となる。
その後は暫く学園を休んで《エンド・プロヴィデンス》や《的場聖持》と修業三昧の日々を送っていた。
学園に復帰したのは昨日のこと。
別人のように強くなった雰囲気に包まれている春斗に対しクリスが絡むもスルー。
彼は出場申請しなかった。
(エンドと聖持が出ずに俺が出れば、先ず間違いなく優勝する。黒鋼で鍛えたと言えど、立華紫闇も一月半では俺と勝負にならんのは明白)
クリスは眼中に無い。
やる気は認めているが、正直なところ力不足なので戦う価値は無いに等しいのだ。
(雑魚狩りの趣味は無いのでな)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「帰れば良いと思うがって言うけど残ったアンタは一人寂しく観戦することになるわよ? それを可哀想だと思った私がわざわざ付いてあげてるっていうのによく『帰れ』なんて言えたもんね。クソ無礼よアンタ」
春斗は思う。クリス・ネバーエンドに礼儀の何たるかを言われたくないと。
しかし春斗は何も言わない。
言い返したことの何倍も愚痴や文句が返ってくることが解っているから。
「まだ6組も残ってるのよねぇこの予選。アンタに限らず何で見に来てんのよ」
クリスには不評だが客数は多い。
本選や冬季龍帝祭ほどではないが。
春斗はクリスが面白くない試合だと言う気持ちは解るのだが、それは仕方ないこと。
一年生しか居ないからレベルが低い。
なので過激なサバイバルルールで10人同時に戦わせて客の興味を引いているのだ。
しかし、春斗は試合内容を期待して見に来たわけではないので別に構わなかった。
「俺が予選を見に来た理由は闘技者の熱を感じたかったからだ。彼等がどれだけ本気で戦っているかを知りたかったに過ぎん」
次に戦う10人が入ってきた。
予選に望む者は皆一様に必死の形相であり、何らかの目的
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ