第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第19弾 交錯する事象(オーバーラップ)
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そう言い残して、俺は玄関を出た???
なんだかんだあって食後。やることが無くなった気分だ。
「しかし、2人してよく食うな……」
5人前とか作った筈の料理が、完売するってどう言うこと?
しかも俺、1人前食べたかどうかぐらいだよ?
2人は胃の中にブラックホールでも飼ってるのではないか、と疑い始めた時、アリアに呼ばれた。
「ねぇ、シュウヤ」
「ん?」
「このケースは?」
「ああ、そいつはな」
俺は立ち上がり、ケースの側へ行くと、ケースを開いた。
中には、パーツ分けされた狙撃銃が入っていた。
「M110狙撃銃。俺の使ってる狙撃銃さ」
俺は、中身を取り出すと、素早く組み立てた。
「そういえばあんた、狙撃科でAランクだったけど、どれくらいの腕なの?」
そう来たか……。
「……見たいの?」
「ええ」
俺は立ち上がると、アリアに言った。
「なら、屋上に行くぞ」
そう言って、俺とアリア、そしてレキも屋上へと向かった。
「で、どうするの?」
「本当なら???アリアにこの9mm弾をもって、400m四方を適当に移動してもらいたかったんだが……流石にそれは悪いから」
俺は、狙撃銃からスコープを外すとアリアに渡した。
「それで覗いて、適当な位置でも示してくれ。それに細かい注文をつけてくれても構わない。但し、半径1.6km内で頼むよ」
「わかったわ」
そう言ってアリアは、四方を見渡し始めた。
「じゃあ、向こうに見える公園の木が密集してる所の真ん中の木で、且つ1番上の葉の真ん中を撃ち抜いて」
「了解」
俺は思考を研ぎ澄ませる。
それにより徐々に徐々に自身の感覚が、深い所まで沈んでいく。
???よし、なれたみたいだ。沈黙の解答者に。
俺は、両手でM110を構えると、引き金にそっと手をかけた。
そして、自身の視力のみでの補正をかけ始める。
風は……ほぼ無し。空気抵抗による影響も配慮しなくていいな。
あとは、地点と、目標物までの距離。
感覚だが……1471mってところか。
俺は、最終補正をかけると引き金を引いた。
M110から放たれた7.62mm弾は、アリアが指定した木の葉へと吸い込まれるようにして当たった。
スコープを覗いていたアリアは、驚きの表情を隠せないようだった。
「腕は確かね。伊達にAじゃないわね」
「そいつはどうも」
そう言いながらアリアは、俺にスコープを返してきた。
受け取った俺は、スコープを取り付け用としていた。
しかし、久々にあんな大胆な狙撃をやったものだ。
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