第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第19弾 交錯する事象(オーバーラップ)
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出して、扉を開けた。
「……まさかここ」
「私の部屋ですが」
そこで俺は納得した。
「じゃあ、アリアになんか頼まれてるんだな?」
レキはコクリと頷いた。
「どうぞ」
そう言ってレキは、俺を中に招き入れてくれた。
「お邪魔します」
そう言って中に入ってみたレキの部屋の第一印象は、『無機質』だった。
コンクリートの壁が剥き出しになり、家具などは、見た限りでは一切なく生活感を感じられなかった。
「お前、ここに住んでるのか?」
「はい。何か変ですか?」
「いや、なんでもないさ」
俺はレキにそう告げると、流しを拝借して手を洗った。
「遅かったわね」
俺が顔を上げると、鏡越しにアリアの姿があった。
「色々とやってたもんで、な」
俺はそう言って、アリアの方へと向き直った。
「単刀直入に聞く。俺を呼び出した要件は?」
「白雪の護衛の手伝いよ」
やっぱりか。だが、1つ引っかかる。
「なんでこんな離れた位置から護衛をするんだ?」
「目標を誘き寄せるためよ」
「なるほど」
それを理解した俺は、携帯を取り出し、マキに電話をかけた。
マキは、5コールの後に応答した。
『もしもし?』
「あ、マキ。悪いけど、今日帰れないから凛音の事任せていいか?」
『いいよ。雪ちゃんの護衛の件でしょ?』
「ご名答。悪いな、丸投げする感じになっちまって」
『しょうがないよ。どっちも依頼なんだから』
「ありがとな。後、何かあったらすぐに連絡してくれ」
『うん。じゃあ、おやすみ』
「ああ、おやすみ」
そう言って俺は電話を切った。
「マキと電話してたのね」
俺の目の前に立つアリアがそう言った。
「ああ。こっちも護衛やってるんでな」
「そうだったわね」
そう言って俺とアリアは、リビングへと向かった。
レキはと言うと、台所で何やら開けていた。
「……何してるんだ?」
俺はレキへと問いかけた。
「食事の用意を」
その手には、栄養食品が。
「お前、普段からそれしか食ってないのか?」
「はい」
マジかよ……。
「お前はそれでいいかもしれないが、俺とコイツは多分足りんぞ?」
「そうね……流石の私でも、それだけじゃ足りないわ」
俺はため息をついてから、口を開いた。
「……買い出し行ってくるわ」
「なんか作ってくれるの?」
「ああ。『腹が減っては戦はできぬ』って言うだろ?」
「そうね。じゃあ、お願いするわ」
「はいよ。レキも食べるか?」
コクリ、とレキは頷いた。
「じゃあ、行ってくる」
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