第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第19弾 交錯する事象(オーバーラップ)
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、整理する必要ないでしょ」
「そうね」
「ええ……」
あまりの事に俺は困惑した。
しばらくの間、静寂が時間を支配していた。
俺はその静寂を断ち切るために、口を開いた。
「……そういえばさ、凛音はこういうの気にしないの?」
「……こういうのって?」
「その……アレだ。男子と一緒に住むことだ」
「え、え、う、うん……」
慌てた様子の凛音は、顔を背けた。
「そ、そういうシュウヤは……どうなの?」
「俺か? 俺は……まあ、なんというか、問題は無い」
正直なところ嫌だけど。
「そ、そうなんだ」
……我ながら、振る話題を間違えた。
と言った具合に後悔していると???
「ねえ。1年生の時の4対4の事覚えてる?」
凛音が、そう尋ねてきた。
「もちろん」
「あの時の私たちは、何かと衝突してばかりだったよね」
そう言った凛音はクスッと笑った。
「そうだな……お陰で纏める身としては大変だったよ」
1年時の俺たちは、些細なことですら衝突していた。
今の状況からはとても想像ができないが、マキと凛音、マキと歳那は仲が悪かったのだ。
俺は立ち位置的には中立だったのだが、凛音と歳那からは、目の敵にされていた。
「お前と歳那、俺がなんかしたわけでも無いのに、しょっちゅう俺に対してキレてたよな」
「そ、そう……?」
凛音は若干視線を逸らしながら言った。
「そうだよ。しかも普段1対2とかで起こるから収集がつかなかったよ……」
俺はそのことを思い出しながら、溜息をついた。
「でも、実戦の時は不思議なくらい息ぴったりだったよね」
「そうなんだよな」
ここまで仲が悪かったのに、試験本番の時は恐ろしいほどの連携を行うことができていたのだ。
「で、気付いたら皆んな打ち解けあってたんだよな……」
「うんうん。今思うと、つまらない事で喧嘩してたよね」
「だな」
そう言って、俺と凛音は笑った。
「まあ、結果オーライってことにしておこうぜ」
「だね」
「ただいま〜」
話してる間に、マキが帰ってきた。
「「おかえり」」
俺と凛音は声を揃えて言った。
「なんの話ししてたの?」
「4対4の時の話さ」
「4対4か〜。懐かしいね」
「ああ。もう1年経ったよ」
「早いね」
「ほんとほんと」
このペースで行けば???今年1年なんてのも、あっという間なんだろうな。
俺は、立ち上がると台所へと向かった。
「さてと、夕飯の準備でもしますか」
「だね」
「ええ」
そう言って俺達は、夕飯を作り始めるのであった???
翌日の午後、狙撃科
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