第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第19弾 交錯する事象(オーバーラップ)
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺はそう言って扉の方へと歩いていく。
「あ、そうそう」
俺は佐々木の方へと振り返った。
「最後の奴種明かししとくけど、アレは対燕返し用の技」
「対燕返し?」
佐々木は首を傾げた。
「そ。燕返しを受け止めつつカウンターする技。アレの対処法立てとけばだいぶ楽になると思うよ」
俺はそう言って再び扉の方へと向き直った。
「……先輩は、なぜ敵に塩を送るのですか?」
佐々木は俺にそういった。
「簡単なことさ。後輩の成長が見たいからだよ」
俺は振り返って笑いながらそう言った。
「じゃあ、俺はこれでお暇するよ」
そういった俺は屋上を後にした。
扉が閉まる瞬間、微かにだが佐々木がお礼を言っていたような気がした???
「ただいま……」
フラフラになりながらも、何とか寮の自室にたどり着くことができた。
早く休みたいなどと思っている俺は、リビングに入って衝撃的な光景を目にした。
そこには、縦に積まれた段ボールがあった。
「……オイ、なんだこの段ボールは」
「私の荷物だけど?」
先に戻ってきた凛音が、そう答えた。
「多すぎるだろ……」
「これでも絞った方だけど」
「マジかよ……」
ため息をつきつつ、洗面所で手を洗い、うがいを済ませた俺は、自室の扉を開いた。
そこには???またしても段ボールが待ち受けていた。
「……え?」
あまりのことに、俺は素っ頓狂な声をあげた。
「あ、それは私の荷物」
そういったのは、何故か知らんがここに居座ることになった死角無しのマキ事、大岡マキさん。
「何故ここに入れた」
「凛音の荷物とごっちゃにならないように」
「アッハイ」
問いただすことを諦めた俺は、扉を閉めリビングのソファーに腰をかけた。
なんでこうなっちゃったのかな……。
自身の日頃の行いが悪いのかなどと考えながら項垂れていると、不意に凛音が言った。
「そう言えば、夕飯どうするの?」
その言葉で、俺はあることを思い出した。
「あ……買い出しに行ってない……」
「え、つまりそれって……」
マキが不安そうに言った。
「……冷蔵庫空っぽ」
「つまり食材が?」
凛音が尋ねてきた。
「Nothing……」
完全に忘れてた。
と言うか、こんなに増えることを想定していなかった。
「ど、どうするの?!」
凛音が慌てた様子になった。
俺はマキへと問いかけた。
「……買い出し頼んでもいいか?」
「いいよ」
そう言ったマキは玄関へと向かっていく。
「じゃあ、凛音のこと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ