暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第19弾 交錯する事象(オーバーラップ)
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 俺はそう言って扉の方へと歩いていく。

「あ、そうそう」

 俺は佐々木の方へと振り返った。

「最後の奴種明かししとくけど、アレは対燕返し用の技」
「対燕返し?」

 佐々木は首を傾げた。

「そ。燕返しを受け止めつつカウンターする技。アレの対処法立てとけばだいぶ楽になると思うよ」

 俺はそう言って再び扉の方へと向き直った。

「……先輩は、なぜ敵に塩を送るのですか?」

 佐々木は俺にそういった。

「簡単なことさ。後輩の成長が見たいからだよ」

 俺は振り返って笑いながらそう言った。

「じゃあ、俺はこれでお暇するよ」

 そういった俺は屋上を後にした。
 扉が閉まる瞬間、微かにだが佐々木がお礼を言っていたような気がした???





「ただいま……」

 フラフラになりながらも、何とか寮の自室にたどり着くことができた。
 早く休みたいなどと思っている俺は、リビングに入って衝撃的な光景を目にした。
 そこには、縦に積まれた段ボールがあった。

「……オイ、なんだこの段ボールは」
「私の荷物だけど?」

 先に戻ってきた凛音が、そう答えた。

「多すぎるだろ……」
「これでも絞った方だけど」
「マジかよ……」

 ため息をつきつつ、洗面所で手を洗い、うがいを済ませた俺は、自室の扉を開いた。
 そこには???またしても段ボールが待ち受けていた。

「……え?」

 あまりのことに、俺は素っ頓狂な声をあげた。

「あ、それは私の荷物」

 そういったのは、何故か知らんがここに居座ることになった死角無し(ゼロホール)のマキ事、大岡マキさん。

「何故ここに入れた」
「凛音の荷物とごっちゃにならないように」
「アッハイ」

 問いただすことを諦めた俺は、扉を閉めリビングのソファーに腰をかけた。
 なんでこうなっちゃったのかな……。
 自身の日頃の行いが悪いのかなどと考えながら項垂れていると、不意に凛音が言った。

「そう言えば、夕飯どうするの?」

 その言葉で、俺はあることを思い出した。

「あ……買い出しに行ってない……」
「え、つまりそれって……」

 マキが不安そうに言った。

「……冷蔵庫空っぽ」
「つまり食材が?」

 凛音が尋ねてきた。

Nothing(何も無い)……」

 完全に忘れてた。
 と言うか、こんなに増えることを想定していなかった。

「ど、どうするの?!」

 凛音が慌てた様子になった。
 俺はマキへと問いかけた。

「……買い出し頼んでもいいか?」
「いいよ」

 そう言ったマキは玄関へと向かっていく。

「じゃあ、凛音のこと
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