秋の夜長にホットなカクテルを・1
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だけ飲んでいる奴は手持ち無沙汰になってくると一勝負、といってくる。勝負の内容もトランプに始まり花札、サイコロ、果ては腕相撲やダーツ、将棋なんかのボードゲームまで。勿論、金を賭けたりする事もあるが大体は『その日の払いをチャラにする』か『俺が願いを1つ聞く』というのを条件に持ち掛けてくる。とんでもねぇ願い事をしてくる奴もいるし、何より俺が負けるのが大嫌いなんでな。負けないように努力した結果だ。
「うぃ〜っす、って何々?何の話?」
ほら来たぞ、勝負を挑んでくる常連が。
「ポーカーで勝負してたんだ」
「あぁ、負けたら1杯、勝ったらお願いって奴?」
「そうだ」
「アタシが仇取ってやろうか?ジョンストンちゃん」
「良いの!?ジュンヨー?」
「勿論さぁ!こう見えてアタシ、空母になる前は客船だったからねぇ。トランプならお手のものさぁ」
そう言って隼鷹は勝負を引き継ごうと交渉する。
「ダメだね、却下だ」
「え〜、なんでさぁ提督ぅ。アタシに負けんのが怖いのかい?」
ニヤニヤ笑う隼鷹。しかし俺は騙されんぞ。
「アホか。お前、わざと負けてただ酒飲む気だろうが。ジョンストンに払いを押し付けて」
その瞬間、隼鷹の笑いが固まり、その隣のジョンストンの顔には怒りが浮かぶ。
「あ……バレた?」
「お前の魂胆なんぞお見通しだ、アホぅ」
「サイッテー!Admiral、もう一勝負よ!」
怒りに任せてホット・タレア・カルーアを一気に飲み干すジョンストン。
「どうせなら、アタシも参加できるゲームにしてよ。ポーカー以外でね。あ、それとアタシにもコーヒーカクテル!」
「へいへい」
そんじゃあ淹れるとしますかね。用意するのはテキーラ。コリンズグラスに20ml注ぎ、そこに更にコーヒーリキュールを20ml加える。カルーアでも構わないが、そうすると甘ったるくなる可能性があるので注意。酒を両方入れたらそこにホットコーヒーを注ぎ、ステア。仕上げに上にホイップクリームを浮かべれば完成。
「ほら、『メキシカンコーヒー』だ」
酒+コーヒーという定番の組み合わせのバリエーションの1つだな。メキシコの代表的な酒・テキーラを使っているから、メキシカン。安直だが分かりやすいネーミングだ。
「くぁ〜っ、このテキーラの風味がまたイイねぇ♪」
「それで?なにやるか決まったか」
「う〜ん、トランプじゃなくて『丁半』ならどうだい?」
「ジュンヨー、チョウハンって?」
「サイコロを2つ、見えない状態で容器の中に入れるのさ。そんで、出た目が偶数か奇数かを当てる遊びさね」
「偶数が『丁』、奇数が『半』。シンプルだからこそ面白い」
「ふぅん
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