暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第18弾 新たなるスタート(ネクストステージ) その名は『晞(ホープフル)』
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た。
 そこには腕を組んで立っている蘭豹の姿があった。

「すいません、遅くなりました」

 俺が話しかけた事で初めて俺の事を認識したらしい蘭豹は言った。

「お前にしては早い方だな」
「只ならぬ予感がしたので」

 俺は、嘘偽りなく答えた。

「そうか。ほな行くで」

 そう言って蘭豹は校長室の扉をノックして開いた。

「失礼します」

 俺はそう言って蘭豹に続いて校長室に入った。

「はいはいはい。待っていましたよ。蘭豹先生に樋熊君」

 そう言ったのは、この東京武偵高の校長を務める『緑松武尊(みどりまつたける)』校長だ。

「ご無沙汰しております。校長」

 俺は軽く挨拶した。

「はいはいはい。久し振りですかね、君がここに来るのは」

 言葉の通り、1年の時はよくここに来てた。
 理由は……まあ、色々。

「で、早速ですが、君を今日ここに呼んだ理由をお教えしましょう」

 そう言って校長は、机の中を漁り始めた。
 そして1枚の紙を取り出した。

「おめでとう樋熊君。君には国際武偵連盟から二つ名が贈られました」

 ……ん、今なんて。

「校長……」
「はいはいはい、何でしょうか?」
「申し訳ないのですがも一度だけ言ってもらってもよろしいでしょうか?」
「樋熊、教務科(マスターズ)では質問禁止や」

 蘭豹にそう言われた。

「構いませんよ蘭豹先生。もう一度だけ言いましょう。君には二つ名がつけられました」

 ……駄目か。聞き間違いだと思ったけどガチらしいな。

「二つ名……ですか」
「ええそうです。君につけられた二つ名は???『ホープフル』です」

 そう言った校長は、紙を広げてこちらに見せてきた。

「因みに漢字で書くと『晞』です。これは朝『日』が昇るような『(のぞみ)』という意味ですね。いやー、めでたいめでたい。これも全て1年生の時からの努力の賜物ですね」

 流石武偵連盟、中二病全開だよね。ネーミングセンスが。
 というかあれ、常用外漢字じゃね? 

「そして、蘭豹先生。貴女の担当のクラスの生徒が二つ名を贈られたのは貴女の教えが良かったからということもあるでしょう。よって、臨時賞与を与えたいと思います」

 あ、俺が直感的に感じたイヤな予感はこれかな。
 対する蘭豹は、顔に出してないけどめちゃくちゃ喜んでるな。

「これにて用件はお終いです。はい」
「樋熊、行くで」
「はい。失礼しました」

 そう言って、俺と蘭豹は校長室を出て、学食へと向かった。
 学食にたどり着くと、俺はマキを探した。というか今日も混んでるな。
 見渡していると、こちらに手を振ってる人物が見えた。
 アレは、マキですね
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