暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第2章(原作2巻) 堕ちし刃(デュエル・バウト)
第18弾 新たなるスタート(ネクストステージ) その名は『晞(ホープフル)』
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 聞き覚えのある機械音で目が醒める。若干ぼやけ気味の視界に映ったのは???天井? 
 漠然と天井と思しきところを見つめていた俺の視界へ、俺の顔を覗き込むような体勢の人影が映り込んだ。

「先輩、気がつきましたか?」

 聞き覚えのあるこの声は???

「……璃野?」

 徐々に俺の視点が定まり、その人物が璃野であることを認識した。

「良かった、意識ははっきりしてるみたいですね」

 そういうと璃野は部屋を出て行った。璃野を見送った俺は、上体を起こそうとした。

「……ッ」

 その際、上半身と両腕に激しい痛みが走った。
 俺はその痛みを堪えながら上体を起こした。
 そして、窓の外へと視線を向けた。

 そこには???お台場の景色が広がっていた。
 それを見てここが武偵病院である事を理解した。
 暫くボーッと窓の外を眺めていると、不意に部屋の扉が開いた。
 そこには、マキ、凛音、歳那が立っていた。

「???大丈夫、なの?」

 扉付近で佇んだままのマキが、そっと口を開いた。

「まあ、ね。あちこち痛むけど……」
「そっか……」

 そう俺に尋ねたマキは不安そうな顔をしていたが、でもと言って話を続けた。

「気がついて良かった……ッ……シュウ君が……もしいなくなっちゃったら……わたし……ッ」

 そこまで言ったマキは泣き始めてしまい、言葉が続かなかった。

「マキ……」
「マキさん……」

 凛音と歳那がマキの側へと行き、マキを慰めていた。

「2人とも……ありがとう」

 それにより落ち着いたらしいマキは、涙を拭うと凛音と歳那の方を向いた。

「ごめん、私、シュウ君と2人っきりで話したいことがあるから1回この部屋を出てもらっても良い?」
「わかったわ。歳那も構わないよね?」
「はい」

 ……俺と2人っきりで話? どんな話だ? 
 そんなことを考えている俺を他所に、凛音と歳那は病室を出た。

「……話って?」
「……うん、あの時言ってたパートナーの件」

 俺の言葉にマキはそっと答えてくれた。

「……本当に私なんかで良いの?」
「当たり前だろ。寧ろお前程俺と連携できる奴は居ない。それに???俺はお前にパートナーになって欲しいんだ。もしかして嫌だったか?」

 俺の言葉にマキはフリフリと首を横に振った。

「嫌じゃないよ。私もシュウ君が良い。私のパートナーは、シュウ君じゃなきゃ……嫌だ」

 そう言ってマキは、そっとベットの上に顔を埋めた。
 俺は、マキのライトブラウンの髪越しに頭をそっと撫でた。
 俺が触れた瞬間、ビクッとなったマキだが、それ以降は何事もなく、なされるがままといった感じで俺に頭を撫でられていた。


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