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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica60せめて別れのその日までは〜We live happily〜
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「あまり魔力を使ってくれるなよ? リンカーコアが弱って使い物にならなくなってしまうだろうが」

「うるっせぇぇぇーーーー!」

男は声のする方、前方のドアの中へと魔力弾を何発も撃ち込んだ。物理破壊設定だったのか派手に爆発が起きて、廊下に転がっていた死体や血溜まりが吹き飛ぶ。モクモクと黒煙が噴き出す中、ドアの向こうの部屋より1人の青年が出てきた。
銀色の短い髪、アップルグリーンの瞳、黒の長衣・スラックスに灰色のロングコート姿といった、20代前半くらいの男。

「なんだ、テメェは!!」

「俺か? 俺はガーデンベルグ。ガーデンベルグ・エグリゴリ。ま、どうせ聞いてもすぐにしょうがなくなる」

ガーデンベルグと名乗った“堕天使エグリゴリ”がスッと右手を振るうと、この場に居る魔導師たちの胸から飛び出てきたのは人の手。その手の平にはリンカーコアの光輝いている。

「お、おれの・・・リンカー・・・コア・・・!?」

「悪いな。お前たちのリンカーコアを貰う」

ガーデンベルグは男の側に歩み寄り、手の平の上で輝くリンカーコアに触れると引き千切るかのように奪い取った。その時の激痛によって男は意識を失いそうなったが、ガーデンベルグへの怒りで意識を保ち続けた。そして、他の魔導犯罪者からもリンカーコアを奪ったガーデンベルグに、「絶対に許さない」と呪いの言葉を掛けた。

「その憎しみすら、どうせ無くなる。安心しろ」

ガーデンベルグがそう言うと、廊下の奥から銃器を携えた者たちが駆け寄ってきた。その銃口は魔導犯罪者たちに向けられている。

「ここにも化け物が居るぞ!」

「殺せ!」

自分に向けられた銃口に男は、「ま、待て! 俺は人間だ! 撃つな!」と掠れた声を出すが、武装している連中には聞こえていない。それが判ると今度はガーデンベルグに「たすけてくれ」と懇願するが、ガーデンベルグの姿はもうどこにもなかった。

「撃て!」

「や、やめろぉぉぉーーーー!」

男の懇願も空しく銃口が火を噴いた。男や他の魔導犯罪者たちは何十発という弾丸の雨をその身に受けた。

「おい、エルフテ。もういいぞ」

魔導犯罪者たちのすぐ側の壁に背を預けていたガーデンベルグの指示に、エルフテが「承知」と応じ、すべての幻術魔法を解除した。たった今まで廊下に転がっていた死体や血溜まりが綺麗さっぱり無くなっており、魔導犯罪者たちも傷一つとしてない綺麗な体になっていた。そして武装していた連中の姿もどこにもない。そう。ナイトクラブでの銃撃も、この廊下への落下も、すべて幻術――夢だった。ただ1つの現実は、リンカーコアをガーデンベルグに奪われたこと。

「コイツらを含めて68人分のリンカーコアか。魔力量は少ないが、塵も積もれば山となるだな。・・・よ
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