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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica60せめて別れのその日までは〜We live happily〜
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っているため、正確な判断は出来ないだろう。それを幸運と思って、逝くといい」

――幻惑の乱景――

最後の大隊の融合騎であったエルフテ。今や従うべき主を変え、その幻術特化の融合騎としての力を揮っていた。そんなエルフテの幻術によりナイトクラブに集っていた犯罪者たちは酔いから醒め、「ひああああああ!?」一斉に悲鳴を上げた。

「どうなってんだ!?」

「いやぁぁぁぁ!!」

「おええええ!」

彼らは自分以外の人間が化け物に見えていた。それだけなら冷静になれば幻術の可能性を見出し、この混乱を収まっていたかもしれない。しかし、ここで決定打となる事態が起こる。バン!とドアを勢いよく開けたのは、銃火器などの質量兵器の密輸を主としている犯罪者たちで、商品である銃火器を武装している。

「殺される前に殺せ!」

「撃て撃て撃て!」

「1匹も逃がすなー!」

そこからは惨劇だ。あっという間に死体の山ができ始めた。だが、中には「おい、どうしたんだよ! なんで仲間同士で殺し合ってるんだよ!」と、幻術の影響を受けていない者たちも居た。しかも幻術を受けている者たちからは視認されていないようだ。

「ねぇ! 一体どうなってるの!?」

「俺に聞くなよ!」

「僕たちも殺されるんだ・・・!」

「泣き言を言ってんじゃねぇよ!」

「とにかく、防御魔法であたし達の周囲を!」

「ですね! 質量兵器くらいなら防げます!」

彼らは魔法で犯罪を働く魔導犯罪者だ。それぞれがシールドやバリアを展開して、銃弾や刃物、グラスに酒瓶に椅子などの武器から身を守っていた。しかし突然そんな彼らの立つ床が崩落し、彼らは驚きに声も出せずに崩落に巻き込まれ、階下に落ちた。

「いって〜」

「なんなんだよ急に!」

「この工場、相当古いからな。ドンパチで一気に崩れたんだろ」

「それにしても暗いな。なんも見えねぇ。天井が塞がれてやがる。どうなってんだ?」

「ねぇ、この臭いなに?」

「下の階ももう駄目のようだな。血の臭いだ。しかも1人2人じゃない。10人以上だ・・・」

「そんな! どうしてこんなことになっちゃったんですか・・・!?」

瓦礫の上でへたり込んだ彼らの耳に、「どうして? お前らが犯罪者だからだろ?」と若い男の声が届いた。ハッとした彼らは周囲を見回すが、未だ暗闇に目が慣れない所為で視認できない。

「なあ。お前たちの魔力、俺にくれよ」

廊下に明かりが点り、彼らは自分たちの周囲が死体と血の海だと判ると、気を失う者、吐く者、泣き叫ぶ者、そして「大人しく殺されるかよ!」と魔法を使おうとする者が出る。声の主の姿はどこにもなく、男は射撃魔法を無差別に周囲に撃ち続け、廊下の内壁が次々と崩れていく。

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