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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica60せめて別れのその日までは〜We live happily〜
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に掛かった。

「にゃあー」

アイリが手をバタバタさせてルシル君から引き剥がされた後は、「あの、本当に大丈夫なの?」すずかちゃんが心配そうに聞いた。私たちも頷いて同意して見せる。

「ああ。アイリの言ったように、身体機能と寿命関係の問題は解決した。リアンシェルトはどういうわけか、俺のリンカーコアの機能不全を修復し、オマケに大魔力量を勝手に寄越した」

ルシル君は怒っているけど、でもそのおかげでルシル君が寿命で死ぬことはなくなった。“エグリゴリ”の全滅=ルシル君の死は変わらずだけど、それでもそれまでの余裕が生まれたのは確かだ。

「すぐにでもリアンシェルトを救いに行くの・・・?」

「そうしたいのは山々だが・・・。みんなの協力で得たドーピング用の魔力結晶、その全てを消費しきってしまったんだ。万全の状態以上の魔力量で挑んだ結果が引き分けだ。いや、生かしてもらったんだから敗北だよ・・・。くそっ。あそこまで追い詰められたのに、最後に魔力が尽きた。だから・・・」

ルシル君がそこまで言い掛けて、私たちをぐるりと見回した後「みんなの記憶を消費しようとした」俯いてそう言った。

「だけど、出来なかった。ふと脳裏を過ぎったんだ。みんなの事を忘れた後の自分の姿が。恐ろしかったよ。だから躊躇した。そして手痛い反撃を食らって・・・負けた」

負けたことによる悔しさに満ちた声色だったけど、そこに後悔の色は無いような気がした。顔を上げたルシル君も苦笑いで、「さ。俺の失敗談はもういいだろ?」手をヒラヒラ振りながらアイリと一緒に被告人席に当たるテーブルに向かった。

「・・・でもルシル、アイリ。良い報告の後だけどこっちは手加減しないから。では開廷するわね〜。こほん。被告ルシリオン・セインテスト、アイリ・セインテストの裁判始めるわ。なんちゃって裁判だから事細かな挨拶とか抜きね」

「アリサ。小槌(ガベル)なんてどこから持って来た・・・?」

裁判長やオークションの司会者が使うようなハンマーをテーブルの上に置いたアリサちゃんに、ルシル君が首を傾げた。アリサちゃんは「通販で買ったのよ♪」サウンディングブロックにコンコンとガベルを打ちつけた。

「えー、検察。被告両名の罪状を」

「はい! ルシル君と私たち八神家の約束である、リアンシェルトとの闘いに赴くときは必ずその場に家族が揃ってること、を破ったものである」

「そして、私たちみんなに悲しみを与えた罪、です!」

はやてちゃんと私とでそう告げると、アリサちゃんは満足そうに頷いてガベルを2回打って、「判決。有罪!」きっぱり下した。

「待たんか、こら! なんちゃって裁判だとしても、もうちょっとあるだろ!?」

ルシル君が私たちを見回したから、私たちは練習したわけじゃない
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