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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜質問編〜
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、公開処刑の演出だけじゃない気がするの。圏内PKを実現するために、継続ダメージがどうしても必要だった………そう思うのよ」

「うん。それは俺も感じる」

頷いてから、しかしキリトはおもむろにかぶりを振る。

「でも、それはさっき実験したじゃないか。たとえ圏外で貫通武器を刺しても、圏内に移動すればダメージは止まる」

「歩いて移動した場合は、ね。なら………《回廊結晶》はどうなの?」

「止まるとも」

再び、ヒースクリフが切れ味鋭く即答した。

「徒歩だろうと、回廊によるテレポートだろうと、あるいは誰かに放り投げられようと、圏内………つまり街の中に入った時点で、《コード》は例外なく適用される」

だがこれには、レンが反論した。

「その、《街の中》ってゆーのは、地面や建物の内部だけなの?上空はどーなるの?」

これには、さしものヒースクリフもやや迷った様子を見せた。

だが、その説明は思わぬところから告げられた。

《宵闇の軍神》様からである。

「いや──、たぶん違うと思う。あの《コード》は、恐らく平面的に街を覆ってるんじゃなくて、三次元的………そうだな、円柱状に覆ってるんだと思うよ」

「その通りだ。だから、仮に街の上空百メートルに回廊の出口を設定し、圏外からそこに飛び込んでもね落下ダメージは発生しないことになる。大いに不快な神経ショックを味わうことにはなるが」

「へえーっ」

レン、キリト、アスナは異口同音に嘆声を漏らした。

他ならぬその知識に。

うーん、とリョロウは唸ったあと、ゆっくりと推測を口にする。

「例えば、だ。圏外において、カインズ氏のHPを、槍の一撃で満タンからゼロまで持っていく。その人は装備から見ても壁戦士だ。HPの総量はかなりの数字だったろう。バーが左端まで減りきるのに、そうだな………五秒はかかってもおかしくはない。その間に、カインズ氏を回廊で教会に送り、窓からぶら下げる……」

「ちょ……ちょっと待ってください」

アスナが掠れた声で遮った。

「攻略組じゃなかったにせよ、カインズさんはボリュームゾーンでは上のほうのプレイヤーだった。そんな人のHPを単発ソードスキルで削り切るなんて、私にも……あなたにだって不可能なはずよ、リョロウさん!」

「できるとも」

《宵闇の軍神》は、いとも簡単に頷いた。まるで、さも当然だという風に。

そして指を揃えた手を首のところに持ってきて、しゅっと空気を切り裂く。つまり、

俗に言うクビキリの動作をした。

「首だよ。どんなにHP総量が多くとも、首を撥ね飛ばせば殺すことができる」

「だけど、カインズの首は繋がってたぜ」

「そこだよ」

リョロウはそう言って、卓上に置いてある
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