暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜質問編〜
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う?」
磁力的な視線を放つ真鍮色の瞳と、圧倒的な肉食動物に睨まれているかのような威圧感を無意識に放出している黄金の瞳をちらりと見返し、キリトは言う。
「そりゃ……フェアじゃないから。認めるのもちょいと業腹だけど、SAOのルールは基本的にフェアネスを貫いてる。六王の……おっと一人は違うか……五人の《ユニークスキル》を除いては、な」
最後の一言を、片頬の笑みとともにキリトが付け加えると、ヒースクリフも無言で同種の微笑を返す。
謎のニヤニヤ笑いを応酬する男二人を無視して、アスナがため息混じりに首を振り、ヴォルティスに言葉をかける。
「どちらにせよ、今の段階で三つ目の可能性を検討するのは時間の無駄ですね。確認のしようがないもの。ということで……仮説その一、デュエルによるPKから検討しても……よろしいですか?閣下」
「うむ………しかし、レン以外の料理が出てくるのが遅いな、嫌がらせか?」
眉をひそめ、周囲を見渡す閣下殿の背後から明るい声がかけられる。
「悪かったわね〜、遅くて」
ヴォルティスの背後から、料理を両手に現れたのは、黒髪黒服黒眼鏡の妙齢の女性。
《兎轉舎》女店主にして、唯一の店員。イヨ。
「……んにしても、手間のかかる料理ばっか注文してそりゃないでしょうよ。レン君は簡単なやつをたのんでくれるから早くて助かるんだけどねえ」
それを聞いて、反論できない一堂(レンを除く)。
「………し、しかし、圏内でプレイヤーが死んだらそれはデュエルの結果、てのがまぁ常識だよな」
「ウィナー表示がなかったとは本当なのか?」
「断言してもいい」
ふむ、と生まれた沈黙の中で、アスナが軽く首を傾げた。
「……そういえば、今まで気にしたこともなかったけど、ウィナー表示の出る位置ってどういう決まりになってるの?」
「へ?………うーん」
迷うキリトだが、ヒースクリフは即答した。
「決闘者ふたりの中間位置。あるいは、決着時ふたりの距離が十メートル以上離れている場合は、双方の至近に二枚のウインドウが表示される。だが、ウインドウが表示されていないとなるとな………」
うむむ、とキリトは唸ってから───
「………デュエルじゃなかった……のか、やっぱり」
イヨが、とぽとぽとワイングラスに注ぐ黒エールを眺めながら、アスナは指を二本立てた。
「じゃあ、残る可能性は二つ目のやつだけね。《システム上の抜け道》…………わたしね、どうしても引っかかるのよ」
「何が?」
「《貫通継続ダメージ》」
テーブル上に、必要もないのに置いてある爪楊枝──この世界では歯は汚れない──
を一本抜き、アスナはそのささやかな武器でしゅっと空気を貫いた。
「あの槍は
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