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曇天に哭く修羅
第一部
認識の違い
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的場聖持(まとばせいじ)》のお陰で立ち直れた《立華紫闇(たちばなしあん)》は黒鉄の屋敷に帰る。

黒鉄焔(くろがねほむら)》は彼を迎え入れた。


「戻って来れたんだね」

「ほっとしたわい。もし修業を辞めとったら儂の見込み違いじゃったということじゃしの」


黒鋼弥以覇(くろがねやいば)》は安心する。


「弥以覇さんは自分の目が曇ったと言われるのが嫌だっただけですよね?」


永遠(とわ)レイア》が突っ込む。

紫闇は待っていてくれた三人と共にテレビを見ながら夕飯を取ることになった。

画面には【天覧武踊(てんらんぶよう)

というよりこの時間はどのチャンネルも似たような内容が流れているのだ。

放映される天覧武踊には幾つもの種類が有り、


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それぞれの【魔術学園】が主催の試合

学園同士の対抗戦

全領域統一戦

毎日のように開催している軍の興業試合

魔術学園を卒業して軍属にならなかった者が行う魔術闘技戦などがそう。

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今テレビで流れているのは【龍帝学園】が主催をしている[番付勝負]でルールは学園のスタジアムを舞台にしたコロシアムルール。

内容は一対一のラウンド制。

まるで格闘技の試合。


「この番付勝負ってほぼ毎日やってたよね」

「うん、だから入れ替わりが激しい」


基本的には同じ学園内での番付であり、同学年のランキング、序列を決める為のもの。

対戦する二人が互いに出場届けを出し、彼等を担当する教官、そして学園の上層部が試合の開催を認めて許可をすることで行われる。

序列下位の生徒が勝てば序列上位の生徒から入れ替わりで序列を奪い、奪われた者はランキングが一つ下がってしまうというシステム。

ちなみに序列が下がった生徒より下位の序列も一つ下がることで全体の序列を調整する。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。常に気を張っておくには良いやり方と思うぞ儂は。大戦時の面子(めんつ)よりも甘っちょろい闘技者が多くなってしまったのは残念じゃがの」

「弥以覇さんの頃と比べたらそうでしょうけど学生魔術師も毎日のように下克上が起きる立場に居るんですから。今の時代に【旧支配者(オールドワン)】や魔獣がうろうろしていたのと同じ精神性を持てって言う方が無理ですよ」


弥以覇の指摘にレイアが反論した。

そうこうしている内に序列を賭けて戦う二人がスタジアムに入ってくる。

テレビには会場の全体を見渡すような映像が映し出されており、スタジアムの天井付近には1メートル四方の立
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