第8話 初陣そして遭遇
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
船に乗ってから数時間後進路の方向に島が見えてきた。島の近くに寄って一旦船を停止させる。俺とちぃさんとレオ神父が三人で双眼鏡をのぞくと…
「結構いるわね。こんなヒドイ事態2年まえの豪華客船のとき以来ね」
「事ここに及んでは生存者は絶望的と言ったところか」
「…」
島にはわずかな明かりしかなかったけど、気配察知能力のせいかここからでも人ではない何かが大量に蠢いているのがよく分かる。今語られたちぃさんの経歴にツッコミたいがそれ以上に帰りたい。今すぐにでも。あんな数相手にするとかありえない。
「…」
「にしても、こんなことになったら私や教会とかが出張ってくるの分かってるハズなんだけど」
「つまりはソレほどまでに今回の件の中心には強大な『何か』があるのだろう」
「そうよねぇ…って、朔也?さっきから一言も口利いてないけど平気?」
真面目に話をしていたちぃさんが俺が絶句しているのに気がついたのか心配そうに覗き込んでくる。
「…帰っていい?」
「ダ〜メ!」
俺の万感をこめた呟きもあっさり笑顔で拒否された。この人じつは天然の皮をかぶった真正のドSなんじゃなかろうか?
「まぁ、安心しなさい。私たちが出来る限りフォローするから」
と言ってちぃさんは袋から日本刀を取り出す。
「そうだぞ。一応我々が着いている。心配ないさ。これでもこの手のことに関しては手馴れている」
レオ神父にいたっては棺桶から…ガトリングガン、ロケットランチャー、短機関銃etc…と大量の重火器を取り出している。神父がこんなことに手馴れていてよいものかというツッコミもこの場においては意味をなさないのだろう。なぜなら、この場においては異常であることが正常なのだから。
「ああ、何かあったらこれで我々を呼べ」
と言ってレオ神父が俺に渡してきたのは…
「発炎筒?」
一台に一つみんなの発炎筒である。…通信機はなかったのだろうか。
「それを焚けば可及的速やかに援護に向かう。まぁ、初実戦とはいえ出来る限り使わないことを心掛けて欲しいものだ。なにせ私の場合こんな風に巻き込んでしまいかねんからなっ!」
レオ神父が棺桶から出したロケットランチャーを構えて島のさっき確認した場所に向けてぶっ放した。弾道はよく見えなかったが着弾したのだろうさっきまでぽつぽつとした明かりしかなかったところがいきなり爆ぜた。そして次の瞬間には火の手が上がり先程の数倍にも上る明かりになっていた。
「この発炎筒使わないようにしよ…」
そう心に誓った俺だった。
「しっかり掴まっておけ!」
強襲揚陸船の正しい使い方で、乗り込むらしい。船に再びエンジンが入れられまっすぐに島へ向かっていく。そこまで離れていなかった島との
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ