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レーヴァティン
第百二十九話 博多から福岡へその十
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いうのだ。
「家臣に伝えさせる」
「そうしたものか」
「そうかと。では」
「伝えてくれ」
 英雄は智の言葉も受けて部将達に告げた。
「ここはな」
「はい、馬なり駕籠なり」
「好きなものに乗って」
「そうしてですか」
「下がればいいのですか」
「その様に伝えろ、敗れても立派な戦いをしたなら」
 それならばというのだ。
「恥じることはない、堂々とだ」
「退け」
「そうすべきですね」
「そうだ、そう伝えろ」
 こう部将達に告げてだった、英雄は城主にあえて馬に乗らせて退かせた。駕籠ではなかったがそちらだった。
 英雄は彼と城を守っていた将兵達が退いたのを見届けてから本丸に入った、こうして福岡城を完全に自分達の城とした。


第百二十九話   完


                  2019・9・8
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