暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO日向ネジ短篇
【めぐり逢う螺旋】
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……」

 日向家前から茜色の夕日の見える橋の上に場所を移し、ボルトはネジと話してみる事にした。……先日に初めて逢ってはいたものの、その時は他に何人も居た為にほとんど会話が出来なかったのでボルトにとっては過去の、生存している“いとこ伯父”と話せる絶好の機会だった。とはいえ旅芸人と称している為、本当の名は明かしていない。



「──なるほど、力を暴走させたのかナルトは。それをお前は恐れるようになってしまったと」

「まぁ……うん」

「その気持ちは分からなくもない。……俺もナルトの腹の中に居る物に一瞬なりと精神を乱され、恐れを抱いた覚えがあるからな」

「え、おじさ…ネジさん、も?」

「中忍選抜三次試験の本戦で、ナルトと闘った事があってな。俺があいつのチャクラを練れなくした上でほぼ負けを確定させたはずなのに、ナルトは腹に封印された物のチャクラを借りたらしくて息を吹き返したように反撃してきてな。……結果、俺は負けたんだ」

「は? それってチートじゃねーの?」

「いや、そういう事じゃない。最終的に精神面では俺の方が負けていた。……それに、あそこで俺がナルトに負けていなければ、俺は未だに──」

 そこで一旦ネジは言葉を切る。

「そりゃあんたも流石にあんな得体の知れない力にはビビるよな……」

「俺もよくは知らないが、そのせいもあって周囲から疎まれがちではあったらしい」

「ふーん……何かちょっとかわいそうだな父ちゃ…じゃなくてナルト」

「あいつに哀れみは必要ない、寧ろ失礼だろう。──運命など、誰かが決めるものではないのだから」


「運命……? 何のことだってばさ」

「俺はかつて、自分の運命を呪っていた。籠の中の鳥という、逃れられない運命に」

「籠の中の、鳥……」

 ボルトは以前、日向宗家跡目のハナビからかつてあった呪印制度の話を聞いた事を思い出す。

 宗家の白眼を守るという名目で、分家の額に籠の中の鳥を意味する日向の秘術である呪印を刻み、逆らおうものなら呪印を発動させ苦痛を与えるのは容易で、その上脳神経を破壊し殺す事も可能だと。そしてその呪印は、刻まれた分家が死してのみしか消える事はなく、外部の人間に悪用されぬよう白眼の能力を封印する役割もあるのだと。


「父はそんな籠の中の鳥として宗家に殺されたのだと、憎しみに囚われていた時期が俺にはあった。……だが父は、最期に自らの自由の意思によって里や一族、家族を守る為に死を選んだのだと知って、宗家を怨む理由は無くなった。何よりあいつに……ナルトに、運命がどうとか変われないとかそんなつまんない事をめそめそ言ってんじゃねえよ、と……闇の中から救い出してもらった。──運命なんて誰かが決めるもんじゃないと、教わったんだ。それ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ