【めぐり逢う螺旋】
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(──あれ、ここら辺ってもしかして、日向家に近いんじゃ)
予期せぬ出来事で木ノ葉隠れの里の過去にやって来てしまったボルトは、少年時代の父ナルトとその師匠に出会い、内に秘められた禍々しいチャクラと少年ナルトの変貌ぶりに触れた事でつい恐れを抱いてしまい、少年時代の父との修業から一旦離れ宛てもなく歩いていた所、過去とはいえ見覚えのある広い塀に囲まれた屋敷に気づく。
……近づくにつれて、誰かと誰かが修業しているらしく威勢のいい掛け声と共にパシッパシッと小気味よい音が聞こえてくる。
なるべく気配を消して門の隙間から覗き見てみると、先日会った下忍当時の母親のヒナタと、ボルトにとっては“いとこ伯父”にあたる日向ネジの二人がちょうど修業を終える所だった。
「ではヒナタ様、今日はこの辺りで失礼します」
「は、はい、修業に付き合って頂いてありがとうございましたネジ兄さん。あの……お茶でも飲んで行きませんか?」
「気持ちは有り難いのですが、また今度に」
「分かりました……また、修業の方よろしくお願いします」
その会話が終わると同時に、ネジが出口の門へと歩いて来たのでボルトは直ぐ様その場から離れようとしたが、何故か気後れしてしまい動きが鈍る。
「……何をしているんだ、お前」
「えっ、いやその、たまたま通りかかってさぁ」
ネジに見つかってしまい笑顔で誤魔化そうとするボルト。
「たまたま通りかかって、覗き見をしていたと?」
「何だ、バレてたのかよ……」
「……ヒナタ様は、気づいていないようだがな」
「なぁおじさ……違う、あんた何で母ちゃ……じゃなくて、ヒナタ…さんのこと様付けしてるんだよ? 敬語も何か気になるっつーか」
「跡目からは外されているとはいえ、彼女は日向宗家で俺は分家という主従関係である事には変わりない」
「跡目って──」
「旅芸人のお前に話す事ではないな、それ以上は聞かないでくれ」
(そっか、ハナビ叔母さんが日向当主の跡目なんだっけ)
ボルトはふとその事を思い出す。
「けど、宗家分家っていう主従関係の割にはヒナタ…さんの方はあんたのこと、“兄さん”って」
「一つ違いの従兄妹ではあるが、実の兄妹ではない。……彼女が俺を兄さんと呼ぶのは、未だによく分からない。そう呼ばなくてもいいと言っているのだが」
僅かに困った様子で下向くネジ。
「ヒナタさんがネジ…さんを慕ってるからじゃねーの?」
「……分かったような口を聞くな」
ネジは怪訝な表情をしながらボルトを睨む。
「わ、悪かったってばさ…! ──?」
「何か、あったのか」
ボルトの気落ちした表情をネジは察っする。
「あぁ、えっと、実は
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