暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第17弾 覚醒(バーサーキング)
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不発《ミス・ファイア》ッ?! よりにもよってここでかッ!)

 俺は弾倉(マガジン)を抜いた。
そして、既に装填されている音響弾を取り出し破棄した。
 PSL狙撃銃を抱えたままのマキがこちらへと走り寄ってきた。

「どうしたの?」
「不発だ。弾に不備があったみたい。マキ、音響弾あるか?」
「あるよ」

 そう言ってマキは懐から音響弾を取り出した。
 俺はそれを受け取ろうとした。
その時、煙幕の向こうからガシン! と言う音が聞こえた。
 俺は何の音だか分からなかった。

答えを探した俺は自然とそちらを向いた。
 俺の視線が音源に向いた瞬間、そこから無数の弾丸が俺めがけて飛来した。
 瞬間、俺は何もできなかった。
ただただ悟ることしかできなかった。

(あ、これ死んだな???)

 そして弾丸が俺に当たるまで2mぐらいのところで、刀を盾がわりにしたマキが割り込んできた。
 そして、無数の7.62mm弾をその身に受けた。

「……マキッ?!」

 俺はマキに駆け寄り、抱きかかえた。
 その身体は、刀で守れたところ以外至る所に銃創があり出血していた。

「……マキ? おい、マキッ!」

 俺は必死にマキの名前を呼んでいた。しかし返事が無い。
 傷口からはかなりの量の出血が起こっていた。
そして、マキの身体は普段よりも軽く感じた。
 そう思った瞬間、俺の体内の血流が勢いを増した。
あの、1年の3学期にアイツと対峙した時と同じ血流だ。

ドス黒く破壊と憎悪の感情のみが意識を支配するあの人格。
徐々に徐々に現れ始めた???9条を破りかけた時の俺が。
 今あの状態になれば、確実に9条を破り奴を殺してしまう。
だが、一度現れてしまったこの血流を止めることはもう出来ない。

(飲まれるなッ! アレに支配されてしまったらもうお終いだッ!)

 そう自分に言い聞かせ足掻くが、それも無駄な足掻きに終わる。
負のみで出来上がっている『ソレ』は徐々に俺の理性を蝕んでいった。
 多分今の俺は、怒りと憎しみのみに囚われ、殺意を剥き出しにし、誰にも見せられない様な酷い顔をしているに違いない。
 そして、俺の意思とは関係なく体が動こうとする。

体のコントロールすらままなら無くなってきた。
同時に、俺の理性もほぼ無いに等しかった。
 俺はただただP・A・Aを睨みつけていた。
その俺の首に腕が巻き付けられた。
 俺は思わずマキの方へと顔が向いた。
その時、何か柔らかいものが俺の唇に当たった。

「……ッ?!」

 数瞬遅れてそれが何かを理解した。
今当たっているのはマキの唇だということを。
つまりこれはキスなんだと。

「マキ……なんで」

 理性が消えつつある状態で
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