第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第17弾 覚醒(バーサーキング)
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役に立たなかったアンカーが役に立つなんて。
本当に付けといて良かった。そう思えたね。
だが、今までの一連の流れで、激しい衝撃を加えすぎた。……こりゃ車体の何処かが逝ってるだろうな。
そう思った俺は、ハヤブサを破棄することにした。
そして、改めて武装を確認してみる。
ベレッタはさっき装弾してから1発も撃ってないから弾は入っている。
DEは再装填しなきゃだな。
周囲を警戒しつつDEに弾倉を装填すると、俺は走り出した。
そして、水蜜桃の駆る『P・A・A』の前に立った。
「やっと来たか。でも、思ってたよりも早かったな」
機体のスピーカー越しに水蜜桃が言った。
「ちょっとした近道をしてきたからな」
DEを向けながら返した。
『まさか、バイクごと飛んでくるとはな』
……知ってる?
『見てたのか?」
「バッチリな』
見ていたのなら俺を狙う暇もあったはず。
「待っていてくれたのか?」
『まあ、な』
どういうつもりなんだよ???こいつは?
「なんの真似だ?」
『別に何も無い』
……何も無い?
ますます奴の狙いがわからない。
「じゃあ、なんで……」
「簡単なことだ」
そう言って水蜜桃はP・A・Aの右アームに取り付けられたM60の銃口を俺に向ける。
『お前と正面からやりあって潰すためだ』
言い切った直後、無数の7.62mm弾が銃口より放たれた。
俺は咄嗟に神回避で射線からズレた。
そして神回避と同時に、3点バーストに切り替えたDEをM60の中心に向けて放つ。
しかし直撃した50.AE弾は全て弾かれた。
「……なッ?!」
想定外のことに俺は動揺した。
僅かにだが硬直して隙の出来てしまった俺のもとに、再び7.62mm弾が飛来した。
先程のように神回避で避けることは不可能だと悟った俺は、上体を後ろへと倒し、どこぞの映画よろしく銃撃を躱しながら、DEで銃口撃ちを行う。
即座に銃撃は止んだ。
俺は上体を元の位置に戻す。
「……えッ?!」
俺は目の前の光景に戦慄した。そこには、使い物にならなくなったはずのM60が、健在していた。
「嘘だろ……?!」
確かに銃弾は奴の銃口を捉えて着弾した筈。
なのに、何故壊れていない?
俺は再び、銃口撃ちを行う。
その瞬間、バーストモードの目は捉えていた。
奴のM60の銃口が閉じるのを。
「な、なに?!」
本体と同じく、防弾性に長けた材質で作られている様で、俺の銃撃は再び弾かれる
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