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曇天に哭く修羅
第一部
再燃
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目立たなくしている。

冷静で落ち着いた人間だ。

声を荒げたりする性格ではない。


「誰に何を言われても絶対に諦めない。俺を助けてくれた時もそうだった。弱くたって俺にはヒーローみたいな存在だったんだよ。そんな紫闇が馬鹿にされるだけの人生を送るなんて我慢できるか……!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


聖持は言う。

エンドも春斗も普段は態度に出さないが、紫闇が学園に来なくなってからは何処かそわそわして学園を欠席することも多くなったのだと。

かなり心配していたらしい。

聖持が紫闇の肩を掴む。


「何をしてても良い。ただ腐らないでくれ。ここまで努力してきたのは何の為だ? 俺は紫闇が負け犬で終わるのなんか見たくない。俺は俺のことを助けてくれたお前が駆け上がってヒーローになる姿が見たいんだよッ!!」


紫闇は目尻が熱くなり涙が浮かぶ。

そして今までのことを話し出す。

学校から逃げて焔とレイアに助けられた後に黒鋼へと弟子入りをしたこと。

今は絶望していることも。


「頑張ろうって思ったんだ。でももう無理だと感じてる。俺にはどうしても、どうやっても苦痛と恐怖を克服することが出来そうにない……」

「紫闇なら出来る。誰が否定しても俺が信じる。だから自分の可能性を諦めないでくれ」


聖持の言葉に紫闇の心が応える。

小さな火が点いた。


(俺は俺を殺す。過去の弱い自分を殺して新しい俺に、強い俺になってみせる)


火は大きくなり炎となる。


「聖持のお陰で立ち直れた。約束するよ。俺は限界を超える。そしてあの《朱衝義人(あかつきよしと)》以上の英雄になるんだ」


紫闇は燃料を得た。

諦めず戦い続ける為の。


「江神を超えたら聖持の背中は見えるか?」

「先ずはクリスにしとけ」

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