フィフティ・フィフティ
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ここでしかバトルできないからさ。普段からポケモンを連れてる人なんてそんなにいなくて。大体の人は、カードを買ったり借りたりしてポケモンバトルしてるんだよ。それだけじゃなくてね──」
サフィールが説明に割って入る。普通にカードゲームとして遊ぶこともできて、帰った後もポケモンバトル気分を味わえる優れもの。ホウエンでは20年近く前から大人気のカードゲームなんだ! と……熱い口調で語ってくれた。
でもそうか。アローラと違って誰でもポケモンバトルができるっていうからみんながポケモンを連れているものとイメージしていたけど、リゾートに来ないとバトルができないなら。やっぱり普段はポケモンバトルとは関係ない日々、関係ない形でポケモンと過ごしていて。バトルするときは専用のポケモンを借りるっていうのは自然なことだよね。
町中でバトルしてる人も、良く思い出してみればマリルとかハスボーとか、あまりバトル向きじゃないポケモンがほとんどだった気がする。
「自分のポケモンがいる場合はどうすればいいですか?」
「その場合は、モンスターボールをスキャンする装置に置いていただければフィールドに転送されますよ」
「サフィールは、どうしてるの?」
「オレはほとんどカードでやってるよ。たまにサーナイトに出てもらうけどまあ、彼女はお目付け役みたいなものだからね」
ちょっと考える。わたしも一回カードというのを試してみるべきか。いつも通りバトルするか。
「初めてだし、自分のポケモンでバトルします」
今は名乗れないけど、アローラの怪盗として来てるんだし。手の内全てをさらすつもりはないけど、慣れないバトルをしてこれ以上カッコ悪いところを見せるわけにもいかない……よね。
「かしこまりました!ではサフィール君は3番、お嬢さんは7番の部屋にお入りください!」
数字の書かれた板を渡され、サフィールと一緒にたくさん部屋がある場所に歩いていく。番号が若いサフィールが3番の部屋の前に自分のプレートを入れ、ドアを開けた。
明かりのついてない小さな部屋の中に、大型のディスプレイと映画館にあるような椅子。椅子の脇にはモンスターボールを入れるくぼみと、券売機のようなものがあった。多分あそこにカードを入れるんだろう。
「部屋はこんな感じ。じゃ後々本気で戦うことになるだろうけど……今日は、楽しいバトルをしよう」
「うん、助けてくれてありがとう」
そう言葉を交わして、わたしも自分の用意された部屋に入る・サフィールの言葉通り、さっき見たのとまったく同じ部屋。ディスプレイの前に置かれた椅子に腰かける。……柔らかい。
ボールに6匹を置くんだけど……その前に。ツンデツンデをボールから出す。
小さなブロックの集合体が一つのポケモンになっているこの子は、いつも
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