第7話 一難去ってまた一難
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カソックっぽいものに着替えた後先程のちぃさんの言葉を思い出しソレと同時にハルからもらった装備―――ファーストの発案―――を引っ張り出してくる。それは剣の『柄』の部分だった。
「魔力を流すと発動するんだったっけ」
事前に受けた説明を思い出して柄に魔力を注ぎこむと刀身が一瞬にして形成される。ファースト曰く投擲用の剣だそうだが柄が短いのだ。ソレはそうだろう。あと、フォースが改造したせいか投擲後の魔力による内部破壊機能もついたらしい。一応折れても魔力を注ぎ直せば使い回しできるとのことなのでいくつか持っていくことにしてカソックの内側に十数本ほど収納する。
「こんなもんか。危険なことってなんだ?」
心当たりがないわけではない。むしろ一つある。だが、本人も説明せずに連れて行くことはないと断じて部屋を出て玄関に向かう。
「遅くなってゴメン。こっちは終わったよ」
「あら、予想より少し早いくらいよ。気にしなくていいわ」
玄関には俺を待っていたであろう、ちぃさんが先程まではなかった竹刀袋を肩にかけていた。ふと、ちぃさんが俺の顔を見て何かに気づいたようだ。
「聞きたいことはあるかもしれないけどまずは急いで移動するわ。人を待たせているから」
と言っていつもとは違った雰囲気でテキパキと外に出る。…今回は鍵をかけ忘れなかった。その後家を出た俺達は庵治戸につながるマンホールがある臨海公園に辿り着いた。
「目的地ってここ?」
「正確には集合場所よ。もう着てるはずなんだけど…」
とちぃさんが辺りを見回してある一点で目を留める。そちらの方向を見るとそこにはカソックに身を包んだ銀髪の青年が立っていた…巨大な棺桶を持って。
「ハァイ、レオ!」
「…久しいな東堂千秋」
元気にあいさつをしたちぃさんに対して嫌そう(そう見えた)に返事を返すレオ神父。
「なにをそんな嫌そうな顔をしてるのよ」
「…自分の胸に手を当ててよく考えてみろ」
「…セクハラ?」
「くたばってしまえ。で、そちらが?」
ちぃさんとの応酬に心底疲れたと言った風にため息をついたレオ神父が俺に目を向ける。
「そう、わたしのかわいい甥っ子の東堂朔也」
「東堂朔也です。心中お察しします」
「この町の教会に赴任しているレオンハルト・ブロウニングだ。…なるほど君も被害者か」
「2人とも人をなんだと思ってるのかな?」
いや、アンタの被害にあっているであろうレオ神父にシンパシーが芽生えて…俺の場合は主にちぃさんの交友関係でだけど。
「それよりも、急ぐとしよう。足は用意してある。ついて来い」
レオ神父が身を翻して海のほうへ向かう。
「ここだ」
と言ってそのまま柵を飛び越えて海に落ちた…の
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