暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
磯風に教える、提督流オトコ飯・3
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「ほれ、味見」

「これはどうやって食べれば良いんだ?」

「とうもろこしに染み込んだ味噌汁をチューチュー吸いながら、たまにもろこしをかじるんだ。もろこしの甘味が味噌汁を引き立てて美味いぞ〜?」

 味噌ラーメンでもコーンは定番のトッピングだからな。相性の良さは折り紙付きだ。お次はアサリと牛乳を使った和風クラムチャウダーとでも言うべき味噌汁だ。



 まず、砂抜きしたアサリ同士をこすり合わせてゴリゴリ洗う。そうしたら鍋に水を入れて火にかける。

 鍋が煮立ってきてアサリの口が開いたら、火を弱めて牛乳を加える。牛乳を入れてからは沸騰させないように注意だ。

 味噌を加える前に味見をして、味噌を溶く。味見の時点で旨味が足りないと感じれば、ほんだしを足すのもアリだ。

 器に盛り、仕上げに小口切りにしたアサツキを散らせば完成だ。お好みでバターを入れても、コクが増して美味いぞ!

「ほい、こっちも味見だ」

「……うん、これは美味い。ご飯じゃなくても、パンにも合いそうな味だ」

 そう、牛乳でマイルドな味に仕上がっているお陰か、洋食のスープとしてもイケそうな味になるんだよなコレが。





「本当に助かったぞ司令。これで次の食事会もバッチリだ!」

「おう。また新しいメニューが教わりたくなったらいつでも来な」


 ……と、伝えたのが数ヵ月前。今俺の目の前には浜風と浦風、それに谷風の3人が立っている。それも、涙目で。

「どうにかしろ、ったってなぁ……」

「頼む、提督さん!この通りじゃ!」

「もうアタイ達にゃあ無理だよぉ……!」

「流石に、限界です……」

 と涙ながらに訴えられる。と、そこへ涙目になっている『元凶』が現れた。

「皆どうした?昼食が出来上がったぞ。早く食べよう!」

「「「い、磯風……!」」」

 そう、磯風の奴は料理が作れるようになったのに気をよくしたのか、毎日作り続けてるんだそうだ。ただし、俺から教わったメニュー『だけ』を、毎日な。始めの頃は浜風達も付き合ってやっていたらしいが、流石に数ヵ月毎日同じメニューじゃなぁ……。

「おい、どうした?何故逃げる」

「「「嫌あああぁぁぁぁっ!」」」

 浜風達と磯風のおいかけっこが始まった。……ヤレヤレ、磯風の飯マズ改善の道は遠そうだ。
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