第一部
そうだったのか
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便利」
(そうか。俺の必殺技は禍孔雀だったのか)
紫闇は焔の禍孔雀を見て呆然とした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
紫闇は盾梟の訓練に移る。
用意されたのは何やらピッチングマシーンに似た[鉄球ぶつけ装置]という機械だ。
何でもこのマシーンから拳大の鉄球をボールのように発射して紫闇に当てるから、その度に盾で体を覆うイメージをしてほしいという。
「というわけで早速始めようか」
焔の合図でレイアが装置に手を掛ける。
「最初の内は体には当てないけど魔晄防壁は張っておくんだぞ。速度を落とすから飛んでくる鉄球に反応することに注力するんだ」
装置からは50qの速さで鉄球が発射されていき、これによって紫闇の感覚を慣らす。
徐々に速度が上がっていく。
そして60qに達した時。
「試しに鉄球を横から押してみて。まだ装置の正面には立たなくて良いから。鉄球の勢いと圧力を肌で感じることにしよう」
紫闇は飛んでくる鉄球が自身の前を通りすぎる瞬間に手の平で押してみることにした。
しかし上手くいかない。
「普通の人間がそんな速度で迫る鉄球に怖がるのは当然だから気にしなくて良いぞ。確りと着弾の直前に防壁を操る為の訓練だからな」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一時間後、紫闇は70qに対応できるようになり、二時間後には80qで飛んでくる鉄球の正面に立ってノーガードで受け止められるまでに盾梟を使えるようになる。
「盾梟は音隼より覚え易いかもしれないけど、この短時間で修得するなんて凄いよ」
「そ、そうかな?」
焔の称賛に照れてしまう。
「黒鋼の人間じゃない僕が言うのもなんだけど、黒鋼の人間でも修業の二日目でここまで成長した人って居ないんじゃないかなあ」
レイアの発言に焔が苦笑った。
「まあ、あたしどころか黒鋼史上最強の爺ちゃんですらも修業開始時の初期状態に限定すれば【魔晄】の総量で紫闇に敵わないだろうね。本来やるべき魔晄の増幅と特殊操作の修業をすっ飛ばしちゃってるわけだし」
しかし問題は黒鋼流の修業における初級が終わって次に来る段階であろう。
肉体だけでなく精神にも基礎技術の修得とは比べ物にならない負担を掛ける。
とは言っても修業がその段階に至るまではもう少し余裕が有るので先のことだが。
「さて、じゃあ次は最後の三羽鳥である禍孔雀の訓練に移るとしようか。内容は今までで一番単純。まず拳に魔晄を集中させる。そして突きを出すと同時に『爆発』するイメージ。これを繰り返すだけだよ」
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