第一部
そうだったのか
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翌日の修業。
午前は昨日と同じ。
ストレッチ・筋トレ・ランニング。
これを昼まで。
午後は上下が黒の胴着を着て道場へ。
ここまでは前日と変わりない。
《黒鋼焔》は今日の課題を出す。
「もう覚えた『音隼』は慣れていけば実戦でも十分なレベルになるだろうから別の【練氣術】を覚えることにしようか」
告げられたのは『盾梟』と『禍孔雀』
《立華紫闇(たちばなしあん》には想像がつかない技だ。
「百聞は一見にしかず。音隼と二つの技を用いて演舞するから見ててくれ。身体強化した状態でね。『喰牙』の見本を見せた時の組み手とは比較にならないほど速いから」
《永遠レイア》と焔が向かい合う。
先ずは焔が動いた。
彼女の背中から黄金の粒子が翼に見えるような勢いで噴き出し一瞬でレイアとの間合いが侵食され格闘する為の距離となる。
昨日の修業で紫闇も身に付けた黒鋼流練氣術の一つ、[三羽鳥ノ一・音隼]
この技では高速運動に加えて飛行も含めた立体的な機動も可能となるが、紫闇の前で出されたものは彼のそれとは全く別物。
繰り出す使い手の実力と技の熟練度・完成度が増せばここまでになるのだ。
しかしこれは演舞。
攻守が有る戦闘。
続きが有る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
焔の足から【魔晄】の粒子が発生した。
背中のように噴射。
宙を舞いながら踊るように前後左右へと体を振りながら動き回り右足での蹴撃。
華麗な足技はレイアの左腕で防がれた。
互いの攻守が入れ替わる。
レイアは魔晄の防壁と緩い身体強化のみ。
武器の【魔晄外装】は出さない。
しかしそんなことはまるで気休めにならないような疾風の駆動で接近すると彼の左脚が滑らかに鋭く跳ね上がった。
狙うは焔の右側頭。
だがこめかみに入る直前、焔の魔晄防壁が膨張して迫る蹴り足を受け止める。
「これが三羽鳥ノ一・盾梟。魔晄防壁をより強固なものとする技」
焔の右拳が輝く。
【刻名館学園】の不良を一撃で沈めてみせた紫闇の[必殺技]と同じように。
彼女の雰囲気が激変した。
「よく見ておけ紫闇」
レイアが眼前で両腕を交差させ守りに徹す。
「破あッッ!!」
焔が突き出した拳がレイアに触れると爆発して拳を包む金の魔晄が粒子となって飛散する。
「三羽鳥ノ一・禍孔雀。御覧の通り打撃の威力を上げる為の技だよ。全ての打撃技が必殺と言って良い威力に変化するから
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