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緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第1.5章(AA1巻) 切られし火蓋(リマインド)
第15弾 過去との交錯
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るたび思い出されるんだ。あの……血に塗れた惨状を!」
「……だからシュウ君は真剣を私に?」

 俺は頷く。

「またあの惨状を繰り返してしまうかもしれない。そう思ったから預けたんだ」

 握った拳を解き再び握る。

「要するに自分から逃げてたってことね」

 アリアに言われた。
 全くもってその通りだ。

「……そう、俺はひたすら自分から逃げてきた。多分怖かったのかもしれない。それと同時に自分が武偵失格だと思ったんだと思う。だから、一時期武偵を辞めようとまで思った」

 これは本当の話だ。
 俺は自分がこの職業(仕事)に向いてないと思ったからだ。

「でも、マキが逆刃刀をくれたおかげでこうして武偵高に居られた。それに決めたんだ。もう運命に背を向けて逃げ出さない。立ち向かうって」
「だから、刀を取りに来た?」
「うん。自分の覚悟を示すために」

 今まで俺はこの刀???『霧雨』と『雷鳴』を受け継いでから自分の覚悟は全てこの刀に託した。
 今回のこともその1つ。

「俺は???あいつを倒す」

 ただ1つの目標であると同時に、これ以上悲劇を繰り返さないために。そして、己自身を越えるために。

「倒すって、相手の居場所は分かってるの?」

 凛音に言われる。

「ああ。ここに来る前に通信学部(コネクト)に寄って居場所は特定済みだ」
「仮にこちらから強襲するとしても、いつ実行するの?」
「……今夜。今夜実行する」
「今夜?! いきなり過ぎない?」

 凛音が驚愕する。

「わかってる。でも、ここで取り逃がすと次に現れるのがいつかが分からない」
「だから今夜……」
「ああ。だから、頼みがある。奴の強襲を???」
「『???手伝ってくれないか?』でしょ?」

 マキが言った。
 読まれてたか、俺の言いたい事。

「私は元からそのつもりだよ」

 マキはそう言った。
 凛音と歳那の方を見ると頷いていた。
 それにとマキは続けた。

「シュウ君を悪くいう人は絶対に蜂の巣にするんだから」

 ……物騒だな。
 でも、これはある意味口癖みたいなものだもんな。
 同時に、マキが俺の事を思ってくれているという証拠でもある。

「あたしも良いわよ。でも、こっちも別の仕事があるからどうなるかわからないわ。一応助っ人でも呼んでおくわ」
「……みんな。ありがとう」

 ただただ感謝する事しか出来ない。

「必ず捕まえよう、水蜜桃を」

 マキの言葉に返事を返す。

「ああ。もちろん!」
「で、この作戦に名前とかはあるの?」

 アリアに聞かれる。

「あるよ。作戦(オペレーション)コード???」

 俺の全てを込めた作戦。
 故に
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